Exact Measuring

オーヴンを使ってパンやお菓子を焼くことをベーキング(Baking) というが、ベーキングにおいてまず大事なことは、材料をきちっと量ることである。そもそも アメリカのお菓子やパンなどは、材料をきちっと量っておきさえすれば、ほぼ失敗なく作れる ような簡単な作り方のものが多い。しかし一つアメリカのレシピを見ながら、材料を量ろうと するのはやや難解だ。アメリカと日本では計量システムがかなり違うからである。

まず粉類などを量るときに、アメリカでは容積を基準にするが、日本では重さを基準にする。さらに アメリカと日本では、容積と重さの単位がそれぞれ違う。粉類などを量るとき、 アメリカでは容積 の単位として、1cup(237ml)を使うのが一般的であるのに対し、日本の計量カップの 大きさは1カップは200mlであり、日本のものよりもやや大きめである。 水や牛乳など液体のものを量るときは、透明で中の分量が見やすい glass measuring cupが使いよいが、粉類などを量るときは、 graduated nesting measuring cupsという、底が平らになっている大きな計量スプーンのような ものを利用するとよい。ちなみにアメリカの計量スプーンと日本の計量スプーンは、ほぼ同じ大きさであり、 大匙1杯が15mlで、アメリカで言えば1 tablespoonにあたり、 小匙1杯(1 teaspoon)は日本もアメリカも5ml になる。

計量カップで量るアメリカ式の分量を、グラムで量る日本式の分量で把握するのは、意外と 複雑なので出来れば、アメリカのレシピはアメリカ式にカップで計量した方が簡単ではある。とは言え、 日本でアメリカの計量カップを手に入れるのはかなり困難なので、レシピには、日本式のグラム表記も 日本で手に入れやすい材料とともに記載した。 レシピを見るにあたり、留意しておいてほしいことは、日本語の材料名は単純な英語でかかれている材料の 翻訳とはかぎらないということだ。 例えばアメリカで汎用的に使われるall-purpose flourは、日本で手に入れやすい 材料としては、薄力粉が多くの場合最も適切であり、all-purpose flour 1 cup は、薄力粉 155g として計算してある。実際、薄力粉のアメリカの 1 cup (237ml) の重さは、130g 程度しかならないのであるが、 薄力粉の方がall-purpose flourよりグルテンが少ないので、 それを加味した大目の分量となっている。 同様に、砂糖も精製したグラニュー糖と黒砂糖では、重さがかなり違うし、さらにアメリカの 黒砂糖と日本の黒砂糖でも、もちろん違うが、一般的な目安として、日本の材料を使うときの重さをそれぞれ記載してある。 レシピ通りに材料の重さを量ると言うことは重要だけれでも、 それ以上に重要なことは、個々の材料の特性をよく把握することである。そして 必要に応じて微調整し、自分なりのレシピを作りあげて欲しいと思う。

American Oven vs. Japanese Oven

アメリカの家庭料理ではオーヴンを使うことが非常に多い。レシピそのものはシンプルで、材料を 混ぜ合わせて、オーヴンを焼き上げたら出来上がり、というようなものが多いので、オーヴンを 上手く使いこなすことが、非常に重要なポイントになる。概してアメリカのオーヴンの機能は非常にシンプルで、 使いやすいものがほとんどなので、それほど難しいものには感じないであろう。 注意すべき点は、@華氏の温度表示になれる(おおよそ華氏400度は摂氏200度、華氏350度は 摂氏180度弱であり、オーヴンの温度を見る限り、摂氏は華氏の約半分である)、Aオーヴンの内部が大きいので、予熱の時間を十分に とる、等である。概してオーヴンの上段は下段よりも温度が高くなるが、その度合いはそれぞれの オーヴンにくせがあるので、個々のオーヴンのくせをよく把握することも重要である。

一方日本のオーヴンは、電子レンジ機能やスチーム機能を 備えているものも多く、メーカーによって、その仕様がまちまちである。また内部が小さいので、 オーヴンの中の温度が一定でないものが多く、その分個々のオーヴンによるくせが大きくなる。 メーカーによって独自の特徴をもっている商品も多く、例えば コンベックという表面を最初に焼き上げ、標準より短時間で仕上げるものなどがある。これは 表面をあまり焦がしたくないもの、例えばメレンゲなどを焼くときは、指定の温度よりも かなり低くして焼く必要がある。 日本のオーヴンを上手く使うこつは、一度よく付属の説明書を熟読して、それぞれの特徴を よく把握する必要がある。付属のレシピ集がついてくるものが多いので、可能であれば 似たようなレシピを探し出し、メーカーが指定する加熱時間もある程度参照した方が、 失敗する可能性も少なくなるだろう。

日本のオーヴンであるか、アメリカのオーヴンであるかに関わらず、オーヴンの使い方で 失敗しないためには、焼き時間にまず注意する必要がある。はじめて作るレシピでは 焼き時間を少なめに設定しておいた方がよい。焼き足らない場合は、もう少し焼けばよいが、 焼きすぎてしまって焦がしてしまった場合は、もう手の施しようがないからだ。また焼き時間 焼き型の大きさにも影響する。小さめのマフィンパンやローフパンを使う場合、レシピで 設定されている焼き時間よりも短くなるので、注意したい。お菓子の中には、途中でオーヴンを 開けてしまうと膨らみ方に影響を与えたりしてよくない結果を生むものもある。しかし チーズケーキなどの一部の例外を除いて、アメリカ料理にはそういうめんどうくさいものは少ない。 状況に応じて、途中で様子を見て、火加減を調節したり、縁や表面をアルミ箔で覆ったりする ことも時には必要である。

もう一つ重要な点は、型にしっかり油を塗っておくこと、グリース (grease)である。アメリカにはグリースに便利なスプレー タイプのバターや油がたくさん売られている。多少割高であるが、一瞬にして 面倒なマフィンパンやローフ型に油が塗れるので非常に便利である。パイ生地など 記事にバターが多く含まれている場合は、それほど神経質にならなくてもよいが、マフィンなど 、生地の油分が少ない場合はしっかりグリースしておかないと型にこびりつきやすい。 グリース最も適しているのは、ショートニングやラードであるが、ない場合は バターやサラダ油でも問題ない。この場合は、油を塗った後さらに小麦粉を型に まぶしておくと、完璧である。

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