Local Ingredients and Original Taste

全てのエスニック料理に共通することであるが、料理の材料をどのように 選ぶかは、エスニック独自のオリジナルな味を再現するにあたって、重要な ポイントになる。今日の東京では、様々な国から実に様々な人々が集まり、その結果、外国の 食物や調味料を手に入れるのも、比較的容易になっている。東京で住んでいなくても、ネット上を ふらふらさまよっていると、意外な物も簡単に手に入れることがある。 Shopping Guideでは、アメリカ料理に使う食材を扱っているお店をまとめて みたので参考にしてほしい。

しかしながら、エスニック食材は、やはり日本で手に入れられるものは、どうしてもその種類は 限られてくる。手に入れられるとしても、近所のスーパーで簡単に手に入れることが できるわけではないし、仮にどこかで手に入れられても、その値段が異常に高かったりするものである。 アメリカ料理に関わらず、全てのエスニック料理を作るときに私が心がけていることは、出来るだけ localな、つまり自分が今住んでいる場所の材料を使い、かつ original、そのエスニック料理独自、現地で食べられる味を出来るだけ 再現することである。一言で“現地で食べられる味“と言っても、一般化するのは難しいので、 “現地で食べても違和感のない味“とでも言った方がよいだろう。例えば、私たち日本人が海外へ行ったとき、 日本人からみたとき、特別おいしいとは思わないかもしれないが日本料理として“違和感のない味“ を提供する店と、どう考えてもこれは日本料理とは認められない、という“なんちゃって日本料理店” というものがある。エスニック料理を作るときは、そういう“エスニックもどき”にならないように 心がけたいと思う。

“エスニックもどき”にならないため、 現地の味を再現するために、どうしてもこれだけは変えられない、という 材料や調味料もある。だがその一方、別に現地の食材にこだわらないで、地元の材料を 使って何ら違和感なく調理できる料理も多く存在するのである。例えば、代表的な タイ料理であるタムヤムクンにタイのフクロ茸の代わりに、シメジや椎茸を 利用したとしても、“タイ料理もどき”にはならない。しかしその一方で、 ナンプラーの代わりに醤油で味付けしてしまったら、トムヤムクンとは 言えないような、ちょっと変わった料理が出来てしまうだろう。

アメリカ料理でも、 常にマッシュルームを利用しなくても、椎茸やシメジで代用できるときは いくらでもある。実際アメリカ人でも、アメリカ料理に "shiitake mushroom"を珍重して料理に好んで使う場合は多々あるのだから、 類似した材料を使うことは、柔軟に対応していきたいと思う。

レシピには、アメリカでの材料を英語で、日本で使う材料を日本語の表記した。ただ単に 英語レシピの翻訳ではなく、日本で入手できる材料の中で、現地の味を再現するのに 最も適切なものを表記したつもりだ。アメリカに在住している人は、英語表記のみを 参照した方がいいだろう。アメリカ料理に使われる材料のほとんどは、日本の スーパーでも気楽に手に入れられるものである。しかし同じりんごや人参でも、 大きさが違っていたり、味が微妙に違っていたりすることがよくある。 Ingredient List に、アメリカの材料を日本で代用する視点から、 留意すべき点をまとめてみたが、はじめてその材料を使って料理する人は、 参照にしてほしい。また各材料の注意書きは、レシピ上でもポップアップ メニューで表示されるようになっている。

アメリカ料理は全体的に、日本人から見ると、びっくりするほどの砂糖を 使い、塩分も濃い目であり、ともかくめちゃくちゃ甘くてしょっぱいと 言われることがよくある。このHPのレシピの多くは、甘さをかなり抑え目に してあるので、物足りないと思う人は砂糖の分量を増やしてもかまわない。 現地の味のエスニック料理といっても、家庭料理というのは、そもそも 各家庭の好みに応じて独自の味があるものである。日本で味噌汁の塩分が 各家庭や地域によって異なるように、アメリカ南部料理でも、コーンブレッドの 甘さが各家庭で大きく異なったりする。はじめて作る料理は、最初は レシピ通りに真似して作るということも必要だが、なれてきたら、好みの 味付けにして自分自身の味を作り上げていって欲しいと思う。