スーパーマーケットの野菜売り場。左から turnip, rootsgreens (蕪), mustard, rutabaga, turnip greens (蕪の葉)

Southern Greens

生でも食べられるようなレタス類や、 火を通して食べる菜っ葉系の野菜を、アメリカではグリーンズ (greens) という。その中でも、 生で食べるものをとくに、salad greens という。 icebergleaf lettuce などと呼ばれる、 レタスやサニーレタスやサラダ菜みたいな 野菜が一杯売られている。野菜を丸ごと買ってくるよりも、 mixed salad greens という、数種類 salad greens をブレンドして、もう食べやすい大きさに整えて、袋詰にしてあるものがたくさん 市販されているので、そういうのを買って、後はただ好きなサラダドレッシングをかけ て食べている人が多いみたいだ。興味深いのは、日本でお馴染みの ほうれん草 (spinach) はもっぱら生食用で、 salad greens なのだ。

では日本のほうれん草や小松菜みたいな、火を通す菜っ葉系の野菜は何かというと アメリカ南部では kale, collard, mustard, turnip などの アブラナ系の野菜 がよく食べられている。これらの野菜は葉っぱが硬くて色が濃い、白菜みたいなので 丸ごと買うととても大きくて、冷蔵庫の中でかさばって、いかにも自己主張強しって 感じの野菜だ。 普通日本じゃあんまり 食べないような、かたい葉を、こちらではぐつぐつ煮込んで 一品作ってしまう。 これらの菜っ葉を煮た southern greens は、シンプルに豆を煮込んだものと同様に、南部料理にはかかせない サイドディッシュである。とくにカラード(collard) を煮込んだものが有名だ。

作り方はとても簡単だ。豆を煮るときと同様、ここでも ham hocksalt port などの豚肉が登場する。豆を煮るときは、豆の種類や好みなどによって これらは入れても入れなくてもいいという 感じだったけど、野菜を煮るときは、これらは絶対に入れたほうがよい。最初に20分ぐらい 豚肉だけで煮て、よくダシがでたころに、葉っぱを投入して、柔らかくなるまで 煮る。turnip を使うときは、蕪の根も一緒に煮るといい。 本当にもう野菜の色が変わる くらいまで、くたくたに煮てしまう。基本的に菜っ葉だけでシンプルに作るのが 一般的みたいだが、じゃがいもなども一緒に煮る場合もあるようだ。

菜っ葉やその他の緑の野菜の調理法として、南部で最も一般的なものが、 豚肉と一緒に長時間煮込むやり方であるが、その他によく行われるのが、 smothered greens のように、 野菜をベーコンとともに炒めて、蒸し煮にする方法。 煮込むよりも短時間で調理できるし、日本人にはなじみやすい調理方法なので、 手軽に試せるかもしれない。

Green Beans

green beans というのは日本でいうインゲン豆と同じ野菜 なのであるが、アメリカのインゲン豆は日本のものより少しばかり大きい。この インゲン豆、南部ではカラードグリーンのように、豚肉とともにぐつぐつ 煮込んだり、ベーコンとともに炒め煮にしたりよく使われる。とくに 理由はよく分からないのであるが、green beans は 感謝祭のときに、サイドディッシュとしてよく使われる ことの多い野菜でもある。とくに グリーンビーン キャセロール (green bean casserol) は感謝祭のときに はかなりの確立で出されることが多いご馳走。本当はキャンベルのマッシュルーム スープなどを使って手軽に出来るレシピが一般的なのだが、それではあんまりにも あんまりなので、もうちょっと手の込んだものを。

Okras

ルイジアナ州の名物料理の一つに、ガンボと呼ばれるスパイシーな 煮込み料理がある。このガンボというのは、アフリカの言葉でオクラを 意味するらしく、オクラが入っている。オクラの独特な粘りが、スープに とろみを出すのだ。アフリカ原産のオクラは、今日ではルイジアナだけでなく、 アメリカ南部の夏にはかかせない、旬の野菜となっている。

とくにルイジアナと同様に、独自の食文化をもっている、The Low Country と呼ばれる、South CarolinaCharleston を 中心とする大西洋沿岸地域に、独特のオクラ料理が多い。オクラをトマトでシンプルに 煮込んだ Stewed OkrasHoppin' Jhon の親戚 みたいな名前のLimpin' Susan などだ。 stewed okra は好みで、ご飯にカレーのようにかけて食べてもよい。 Limpin' Susan はオクラとご飯を一緒に炊き込んだいわばオクラピラフ。 オクラの粘りが納豆ご飯を連想させる。 なぜLimpin' Susan と 呼ばれるのかは、 Hoppin' Jhon 以上に謎だ。オクラの切り口が 花柄みたいでかわいいからかもしれない。

一方 fried okras は、オクラを一口サイズに切って、コーンミールと 小麦粉でつくった衣をからめてあげたもの。このようなフライものは、健康志向が高まって 最近はあまり食べられなくなってしまったようだ。しかしながら本来は、 fried green tomatoesfried grits などの、ちょっとした揚げ物類が 南部の料理には結構多い。

Potatoes

じゃがいもがアメリカで最も食べられている野菜の一つであることは間違いが ない。大量にしかも安価でスーパーで 売られているのを見るだけで、それは十分に納得できるだろう。しかし意外にも いわゆるじゃがいも料理と呼ばれるレシピはそれほど多くはない。じゃがいもは あくまでもサイドディッシュとして肉や魚に添えられるものだし、 ベジタリアンでもなければ、メインディッシュとして料理されることは まずないだろう。さてサイドディッシュとして、やはり最も頻繁に 作られるじゃがいも料理が、何をおいてもやはり、マッシュポテトである。 じゃがいもをゆでてつぶし、塩コショウでシンプルに味をつけた だけの料理だが、それゆえに料理人の腕が試されるような一品だ。 アメリカで作られるマッシュポテトは、牛乳を加えて加えてソフトに 仕上げるのが一般的だが、水っぽくならないようにじゃがいも本来の 味が生かされるように作るのがポイント。日本で作る場合、水分が多く 硬いメイクイーンは向かないので、できるだけほくほくした品種のものを使うとよい。 シンプルにそのまま食べてもよいが、 mashed potatoes and white gravy のように グレーヴィソースを添えられることが南部では多い。

Sweet Potatoes

左から onions, sweet potatoes(yams)potatoes.

アメリカ南部のスウィートポテトは色鮮やかなオレンジ色をしている。 それもちょっとオレンジがかったって感じの色じゃなくって、 本当に人参みたいなオレンジ色なのである。色だけじゃなくて味も全く 黄色いサツマイモとは異なっている。ベータカロチン豊富そうって感じの、甘くてくせのない 人参みたいな味がするのだ。ちょっと日本のサツマイモのような ホクホク感は期待できないけど、とってもジューシーで野菜というより、果物みたいだ。 実際これを甘くシロップ漬けした缶詰が市販されており、たいがいフルーツの缶詰と 同じ棚に並んでいる。

アメリカにも北部に行けば、日本でお馴染みの黄色いサツマイモもあるようだが、 アトランタのスーパーで売られているのは、たいがいこのオレンジ色の スィートポテトである。オレンジ色の スィートポテトは ヤム(yam) とも呼ばれる。もともと北部の黄色いサツマイモと 区別するために、yam と呼ばれるようになったらしい。 一部の南部料理に関するサイトでは、 スウィートポテトがアフリカから 奴隷貿易とともにもたらされたと書いてあるが、 スウィートポテトはもともと 南アメリカ大陸原産なので、この説はかなり怪しい。おそらく アフリカの "true yam" (ヤム芋) と アメリカの yam を混乱している のではないかと思われる。"true yam" と sweet potato とを区別するため、また別の名前が 必要になりそうだ。

さてこのスィートポテトを使った料理は実に幅広い。 candied sweet potatoes は、 ゆでた sweet potato にシナモンと黒砂糖をベースにした 蜜をからめただけのシンプルな料理。揚げてない大学イモみたいだ。 料理といってもデザートみたいに甘いけど、こういう甘めのサイドディッシュが よく南部料理では登場する。 南部のオレンジ色をした sweet potato にはこういう黒砂糖とシナモンの濃厚な味わいがとてもよくマッチする。 同じような味付けだが、 sweet potato casserol は感謝祭のときによく作られるごちそう。 私は 自分の好みでシナモンと、ジンジャーをベースにした シナモンミックススパイスを 作っておいて、かぼちゃやスウィートポテトをベースにした料理に よく利用する けれど、そんなのめんどうくさいわって言う人はシナモンにシンプルだけ加えれば よいだろう。

Carrots

アメリカの人参は日本のものに比べると小ぶりで甘味の少ないものが多い。スィートポテトと 同様に、サラダからケーキにまで 利用できる実に応用範囲の広い野菜である。サイドディッシュとしてメインに添えられ場合、 最もよく作られるのが、 candied carrots with molasses graze grazed carrots with fresh herbs などである。グラッセに煮ているが、 作り方は人参を一度茹でてから、バターをからめるので、グラッセよりもさっぱりと仕上がるのが 特徴だ。

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