Pies

南部名産のスウィートポテトとピーカンを使った、 スィートポテトピーカンパイ

一般的な家庭で焼かれる、特徴的なアメリカ菓子はいくつかあるけれど、 とりあえずまずパイをマスターしよう。アメリカでパイと呼ばれるものは、 フランス風のパイ生地が何層にもふっくらと焼きあがったデニッシュ生地とは 違い、パリッとはしているけど、その質感はどちらかと言うと、 みるとさくっとしたクッキーのような感じだ。従ってアメリカのパイは、どちらかと いうとパイの詰められるクリームや果実の味を主に楽しむ、日本人の感覚からみると パイと言うより、タルトのような感覚に近い。作り方も、バターを生地に何層も練りこんで作る フランス風のパイに比べると、いたってシンプルで簡単だ。

パイ生地の形成の仕方によって、パイは大きく分けて二種類に分けられる。 タルトのように、型にパイ生地を敷き詰め、 シングルクラストペストリー (single crusty pastry) と、パイの具の上に、さらにパイ生地で蓋をした、 ダブルクラストペストリー (double crusty pastry) だ。 シングルクラスト はパイに詰める具の種類によって、最初にパイ生地だけ軽く 焼いた状態で、具をつめて焼いたり、完全にパイ生地を焼いてから、具を詰めたりする。 シングルでもダブルでも、パイ生地の作り方は基本的に同じで、ちょっとバターが 大目のビスケットの生地を作るようだ。バターやラードが溶けないように、手早く仕上げる のが重要なポイントだ。とくにショートニングの代わりにラードを使う場合、 ラードは解けやすいので、必要な分量のラードを冷蔵庫で少し冷やしてから使うとよい。 一度作った生地は、バターをなじませるため、一時間程度冷蔵庫でねかせる。ビスケットや スコーンと同様、 ここでもラップにはさんで整形すると、打ち粉も要らないし衛生的で楽に仕上がる。パイの 縁の飾り方にはいつくかヴァラエティがあるが、フォークの先で型押ししたり、 生地の縁を指でねじるようにして、飾りつけたものなどが一般的だ。焼きあがったときにパイ生地が 縮まないようにするこつは、@生地に水を入れすぎないようにすること、A生地をこねすぎないようにすること、 B生地を成型した後、冷凍庫に入れてよく冷やしてから焼くことである。

2枚のラップにはさんで薄く延ばしたパイ生地を、片方のラップだけとり、 パイ皿にあわせてなじませる。

シングルクラストペストリー
縁をフォークの先で型押しして、 飾りつけたもの。

ダブルクラストペストリー
縁を指でつまんでねじるようにして、 飾りつけ、中央にナイフで切り込みを入れる。

Pecan Pie

ジョージアやルイジアナで豊富にとれるピーカン (pecan) を使ったこの ピーカンパイは南部地方の特産品。一般的な作り方は、コーンシロップをベースにした生地を焼き固める もので、一つ間違えると、"アメリカで絶対食べてはいけないもののリスト"に加えたくなってしまうくらい、甘くなってしまう。 そういう毒々しい甘さが苦手な人には、 ライト・ピーカンパイをお勧め。ただし、コーンシロップを使う一般的なレシピのものと比べると、 生地が硬くなってしまうのが難点だ。 ピーカンだけだとちょっとくどすぎるという 人は、ピーカンとスェートポテトを使った スィートポテトとピーカンのパイも南部らしい一品。

Chess Pie

なぜチェスパイ (chess pie) と呼ばれるのか、名前のいわれは定か ではないが、チェスパイは南部地方に古くから伝わる 伝統的なカスタードパイのようだ。ただあくまでも家庭のパントリーにある、 ありあわせの材料で作るパイというイメージなのが、あまりスーパーなので 売られているのをみたことがない。レモン風味の レモンチェスパイや、 チョコレート風味の チョコレートのチェスパイなど、いろいろヴァラエティがある。 フィリングの材料を 混ぜ合わせて焼くだけなので、とっても簡単で、基本的な材料は卵なので、とっても 経済的で低カロリーなのがよい。

Lemon Meringue Pie

レモンメレンゲパイ は レモン風味の卵黄のフィリングと、卵白のふわふわ生地の二層部分からなるパイ。ふわふわの メレンゲをパイにするとこんなになるのかあと、ちょっと新鮮な味わいが楽しめる。 チェスパイ同様、 基本的な材料は卵なので、経済的で低カロリーだが、こちらはフィリングを二種類作らなくちゃ ならない分、お手間がかかる。でもそれだけに、達成感も二倍?

Cream Pie

ピーカンパイチェスパイがパイシートを半焼き状態にしてから、フィリングをパイ皿に詰め、 さらにオーブンで しっかり火が通るまで約タイプのパイであるのに対して、クリームパイは原則として、パイシートを 完全に焼き上げてから、フィリングを詰めるタイプのシングルクラストを使ったパイ。 一般的な シングルクラストペストリーだけでなく、 クッキーから作った クッキークラストペストリー を使われる場合もよくある。 中に詰めるフィリングや、飾りつけを少々変えるだけで、簡単に色んなヴァラエティが 楽しめる。 シンプルなクリームにイチゴやバナナなどフルーツを添えたり、ホイップクリームで 飾りつけをしてもよい。 チョコレートクリームパイ ココナッツクリームパイなどがあるが、 バナナクリームパイ がとくにポピュラーだ。 キーライムパイ はキーライムというフロリダ地方特産の 小さなライムを使った、南部の名物パイだ。 普通の シングルクラストペストリーでもよいが、 グラハムクラッカーを使った、 グラハムクラッカーペストリー を使って作られることが多い。

Apple Pie

ダブルクラストペストリーは中に生の果実を入れて時間をかけて焼くものが多いが、 その中でも最も親しみやすいりんごを入れて焼いた アップルパイはアメリカの お菓子の中の代表格。アメリカのりんごは日本のものに比べるとかなり小さめだが、 その種類は皮の赤いものや緑色のものを含めて、日本のりんごに負けないくらい 豊富だ。パイなど加熱用に向いているりんごとしたは、日本では紅玉がおなじみだけど、 こちらでは、granny smithgolden delicious などが一般的である。 granny smith は かすかな酸味があるが、アメリカでは日本の紅玉ほど、酸味のあるりんごは少ないような 気がするので、レモンの量や砂糖の量はりんごの種類や甘さに合わせて、加減して 使うようにしよう。

アップルパイと全く同じような作り方で、他のフルーツも簡単にパイにすることができる。 りんごは夏の間はあまり出回り難いが、そのかわりジョージアで豊富に手に入るのが桃。 ピーチパイのスパイスを効かせた濃厚な桃の味わいはまた格別。

Blueberry Pie

ブルーベリーやブラックベリーなど、北米原産のベリー類は多い。とくにブラックベリーは 南部の原産で、繁殖力も強いので、近くの公園などで気楽に、ブラックベリーハンティング を楽しむことができる。しかしこのブラックベリー、北部のスーパーなどで買うと高い。 日本では、缶詰以外はほとんど手に入らない。代わりに、アメリカでも日本でも、比較的 簡単に手に入れることができるのが、ブルーべりー。フレッシュのものはやや高いが、 比較的安価ね冷凍品を使うと、日本でも ブルーベリーパイを作ることができる。作り方は アップルパイと似ているが、ブルーベリーは少し水っぽいので、最初にジャムを作るように 少し火を通して煮詰めておいたほうが、食べやすいだろう。

Cobbler

cobbler というのは、スポンジ生地やビスケット生地をフルーツと一緒に 焼き上げたお菓子だ。なかでも桃を使った ピーチコブラ(peach cobbler) は、 ジョージアの名物料理として知られている。 シンプルに焼き上げて冷たく冷やし、 ヴァニラアイスクリーム を添えるのが こちら流だ。 ジョージアで出回っている 桃は、黄桃が中心で酸味が強く加熱調理にむいているので、このような加熱調理に 向いている。日本で作る場合、桃の代わりにネクタリン(スモモ)を使うと、 かなり近いものに仕上げることができる。

Pudding

プディング(pudding)と呼ばれるデザートに種類は非常に多いのだが、 日本によくあるような、プリン型で冷やし固めたようなプリンはみたことない。かわりに最も南部の 家庭でよく作られるのは、バナナとカスタードクリーム、ヴァニラワッファー (vanilla waffer)と呼ばれるクッキーで作った、 バナナプディングだ。メレンゲの代わりに、ホイップした生クリームを添えることもよくある。 ブレッドプディングは、フランスパンを使ったルイジアナのデザート。フランスパンは他の南部の 州ではそれほど一般的なものではないので、普通の白い食パンを使って作られることも多い。 家庭で手に入りやすい材料で手軽につくる、親しみやすいデザートだ。パンばかりでなく、お米が あまってもプディングにする。 ライスプディング 甘いお粥みたいで、日本人には受け入れ硬いかもしれない。しかし 実際作ってみて、日本人に食べてもらうと、これがご飯で出来ていると気がつかない人が 結構多い。通常アメリカのお米料理は、現地のお米である長粒米を使った方が向いて いるのであるが、ライスプディングだけは別。日本の短粒米 の方が、甘味も強くて、とてもおいしい ライスプディングが出来る。

Brownies

チョコレートブラウニー はアメリカで最もポピュラーな お菓子のうちの一つ。スーパーにいくと、混ぜ合わせて焼けば出来上がる簡単なインスタント・ ブラウニーが一杯売っている。でもブラウニーは一から手作りしても、実に簡単にできる。しかも、 チョコレートの 甘さにあわせて砂糖の量を加減したり、小麦粉の量を加減したりすれば、簡単に好みの味に。。。 さくっとしたクッキータイプのものを好む人と、しっとりした半生タイプのもの 好む人、ブラウニーの好みは人それぞれ。ここに紹介したレシピは、小麦粉少なめの半生タイプ、さくっとした クッキータイプにしたかったら、小麦の量を ¾ カップ(100g) ぐらいまで増やせばよい。 お酒が好きな人は、ウイスキーやグランマニエなどの洋酒を少し加えてもよいだろう。

Cookies

日本でもアメリカでも、贈り物として作られるお菓子で、最も好んで焼かれるのが クッキーだと思う。日持ちもするし、手軽に食べられし、ハロウィーンやクリスマス などのイベント時にも焼かれることが多い。アメリカのクッキーは、型抜きクッキー などの手間のかかるものは、専らクリスマス向けで、普段は手間のかからないシンプルな ものが多い。 チョコレートチップクッキーなど、生地をドロップさせるやり方などが主流と 言ってもよいだろう。中には、クッキーというより、これは煎餅だよ、と言うくらい 大きく焼かれることもよくある。

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