丸鶏ローストの切り分け方
丸鶏をローストしたら、そのままかぶりつくわけにはいきません。きちんと切り分けて盛り付ける必要があります。鶏肉やターキーなどを一羽丸ごとローストしたあと、これを切り分ける作業をカーブ carveと言います。伝統的な価値観では、感謝祭のメインディッシュであるローストターキーの切り分け作業を行うのは、一家の家長である男性の役割とされています。しかし、日本でこの切り分け作業をできる男性なかなかいないので、チキンやターキーの丸焼きを作ったら、丸焼きを作った本人が責任もって、切り分け作業まで行う必要があります。
実のところ、かなり不器用なアメリカ人でさえ、保守的な価値感をもっている男性であれば誰でも、この大きなターキーの切り分け作業を、皆完璧に行っています。やったことがないから、難しそうにみえるだけであって、実際にやり方さえ覚えてしまえば、この切り分け作業は意外と簡単なのです。大きなターキーも小さな鶏肉もやり方は基本的に同じです。せっかく鶏肉をまるごと焼いたのですから、カービングまでしっかり行いましょう。
鶏肉にアルミホイルをかけて、余熱で十分にねかせてから、カービングをはじめます。まずは、よく切れる包丁とまな板を用意しましょう。
最初にもも肉の部分を切り取ります。ももと、鶏の胴体との間に、骨の接続部分があるので、この部分に包丁があたるようにして切り取ります。
次に手羽の部分を切り取ります。これも、胴体との骨の接続部分に包丁があたるようにして、自然に切り取れる場所を探しながら行います。
次に胸肉を切り取ります。まず鶏肉の胸元の真ん中部分に縦に包丁をいれます。骨に包丁があたるので、そのまま胸肉の片方をそぎ落すように切り取ります。切り取った胸肉は、食べやすい大きさにスライスします。
反対側の胸肉も同じようにそぎ落とし、スライスします。
最後は、胴体の部分だけが残ります。内臓部分につめたハーブや野菜などの詰め物は取り除きます。この胴体の部分は、スープなどにして食べます。
お皿にのもりつけるときは、部位ごとに並べると見た目も美しく、食べやすくなります。