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Mushroom Carbonara マッシュルームカルボナーラ
カルボナーラはイタリアの代表的なパスタ料理です。しかし、日本で多くのレストランで、カルボナーラと称して出されているクリームパスタ、イタリア本国のカルボナーラとは、かなり違うものだと言ってよいでしょう。本場のイタリアでは、カルボナーラに生クリームは使用しないし、上にポーチドエッグや温泉卵をのせたりするカルボナーラは、おそらく日本独自で発達したものでしょう。日本のイタリア料理の歴史の中で、カルボナーラが一般的なレストランで提供されるようになったのは、比較的新しく、1990年代に入ってからです。その後10年ほどの短い間に、日本式のカルボナーラが、あっという間に普及しまったのは、ちょっと興味深いです。おそらく、生卵をご飯にかけて食べるという、日本の生卵文化が、カルボナーラに親近感を抱いたのではないか、と想像しています。
さて、本場のカルボナーラは、グアンチャーレ (guanciale)という、豚のほほにくを塩漬けにしたものと、ペコリーノロマーノという羊のミルクを使ったハードタイプのチーズを使います。グアンチャーレやペコリーノロマーノより、より手に入りやすい、パンチェッタやベーコン、チーズはパルメジャーノチーズで代用しているレシピが、アメリカでも多いです。グアンチャーレは、ベーコンより脂肪分が多く、 ペコリーノロマーノは、パルメジャーノよりも塩分が濃いです。イタリアのパスタ料理は、パスタのゆで汁をソースに入れて、チーズの油分やオリーブオイルを乳化させて、クリーミーな食感を出すことが多いですが、カルボナーラも同じように、パスタのゆで汁を使いながら、ソースを作ります。
今回作ったのは、グアンチャーレやベーコンなどの代わりに、きのこを使ったカルボナーラです。豚肉の脂肪分が入らないので、かなりさっぱりとしたカルボナーラになります。しかし、きのこの風味と、チーズでしっかりと味をつけるので、物足りないということは絶対にありません。
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使ったパスタは、ファルファーレというリボンの形をしたショートパスタです。パスタは、海水と同じくらいの濃いめの塩水を沸騰させてから、硬めに茹でます。パスタが茹で上がっても、パスタを茹でたときのお湯は、ソースに入れて使うので、捨てないでとっておくことがポイントです。
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きのこ類は、椎茸、舞茸、しめじなど、手に入るものを使います。今回使ったのは、舞茸と椎茸です。オリーブオイルと微塵切りにしたニンニクをフライパンにいれて中火にかけ、ニンニクの香りがたってきたら、薄切りにした茸を加えて、しんなりするまで炒めます。
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ソースは、卵黄と全卵を混ぜて使います。卵黄2個と全卵1個、摩り下ろしたチーズ、オリーブオイル、パスタのゆで汁をそれぞれ大匙2杯程度入れて、よく混ぜ合わせます。
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茹で上がったパスタを、水気を切ってから加えます。ソースを乳化させながらかきまぜて、水っぽいようだったらチーズを加え、濃すぎるようだったら、ゆで汁を少量加えて調整します。
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炒めた茸を加えてさらに混ぜます。最後に、微塵切りにしたイタリアンパセリ、塩、黒胡椒を加えて、味を調節します。
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器にもって、皿にチーズとパセリを好みでかけます。
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- ショートパスタ (ファルファーレ) 250 g
- 卵 1 個
- 卵黄 2 個
- パルメジャーノチーズ 又は ペコリーノロマーノ(粉) 65 g
★
Parmigiano Reggiano: ハードタイプのイタリアのチーズ。摩り下ろしてパスタに添えるたり、用途は幅広い。
- きのこ(椎茸、シメジ、マイタケなど) 300 g
- ニンニク 3 片
- オリーブ オイル 60 ml
- イタリアンパセリ 2 枝
- 塩 適宜
- 黒胡椒 適宜
- きのこは薄切りにする、ニンニクは細かい微塵切りにする。
- 鍋に水と塩を入れて、強火にかける。沸騰したらパスタを入れて、パッケージの指示に従って、硬めにゆでる (パスタのゆで汁はとっておく)
- フライパンにオリーブオイルの半量とニンニクの微塵切りを入れて、中火にかける。ニンニクの香りがたったら、1. のきのこを入れて、しんなりするまで炒める。
- ボールに卵、卵黄、摩り下ろしたチーズ、オリーブオイルとパスタのゆで汁をそれぞれ大匙2杯程度入れて、よく混ぜ合わせる。
- 4. に茹で上がったパスタと、炒めた茸を加えて、よく混ぜ合わせる。とろみが足りないようだったらチーズを足し、逆に水分が足りないようだったら、パスタのゆで汁を足して調節する。パセリの微塵切りを加え、さらに塩と黒胡椒で味を調える。