アメリカ南部風アイスティー
30 アメリカ南部料理

Southern Sweet Tea アメリカ南部式アイスティー

 紅茶を冷たくして飲むアイスティーはアメリカ全土にあるけれど、アイスティーにお砂糖を多めに入れた、スウィートティーはアメリカ南部独自のものだと言われます。南部の田舎町の美容院に集まる女性たちを描いた映画「マグノリアの花たち」では、スィートティは the house wine of the South (アメリカ南部のハウスワイン)と称されるほど、一年を通じて南部の生活に根付いています。2003年のエイプリルフールでは、ジョージアの州議会議員が、ジョージア州の全てのレストランで、スウィートティを提供することを要求する法律を提案した報じられました。

 スウィートティー強制法案が現実化することはありませんでしたが、ファーストフードを含む、アトランタのレストランでは、お砂糖の入っているスウィートティーと、甘くないアイスティーは、ほとんどどこにでもありました。どこにいっても、コーラやスプライトばかりで、アメリカで慢性的にお茶に飢えていた私にとっては、大変ありがたかったです。

 南部式のアイスティーは、作り方は、日本でアイスティーを作るときとそれほど変わりません。大量に作って、ピッチャーに入れて冷蔵庫に保存しておくものなので、アイスティー用に売られているティーパックも、日本の麦茶を作るときのような、大きめのサイズのものが多いです。これを濃いめに入れて、熱いうちにお砂糖を入れてかきまぜます。紅茶が十分に抽出されたら、水を加えて少し温度を下げ、冷蔵庫で冷やすか、もしくは氷を入れたグラスにそそぎます。好みでレモンやオレンジなどのフルーツを入れたり、ミントの葉を添えたりしますが、そのまま飲むことも多いです。日本のアイスティーのように、あとから、ガムシロップを入れたり、ミルクを入れたりするようなことは、基本ありません。

 南部式のアイスティーが今日のようなものになったのは、1900年代以降のことで、歴史的にはそれほど昔からあったわけではかったようです。冷凍庫がまだ珍しかった時代、氷でお茶を冷やすというのは、かなりの贅沢です。興味深いことに、アイスティーが登場する以前の1800年代は、お茶と言えば、グリーンティーが主流でした。1900年代以降、インドや南アフリカから、安価な紅茶の輸入が可能となったため、今日のような紅茶によるアイスティーがアメリカ全土に普及するようになったそうです。1920年から1933年の禁酒法の時代では、アルコールの代わりにアイスティーを飲むという習慣が定着しました。[1][2]

 アイスティーと比べると、全く影が薄くなってしまいましたが、今日のアメリカでも、グリーンティーにお砂糖を入れて、レモンを加えて飲む、というちょっと謎の飲み物を何度か口にしました。面白いことに、グリーンティーや紅茶はアイスにして飲むという習慣があるのですが、コーヒーをアイスにして飲むという発想は、アメリカにはなかったようです。私がアイスコーヒーを入れていたら、ルームメートに不思議がられました。紅茶もアイスにして、緑茶もアイスにして、ウーロン茶もアイスにして、コーヒーもアイス、さらにはラーメンもパスタも冷やして食べる、ということをするのは、おそらく日本人だけなのではと思っています。

にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ にほんブログ村 海外生活ブログ アメリカ南部情報へ

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です