Dry-Brined Roast Turkey ローストターキー (ドライブライン方式)
アメリカの感謝祭のメインディッシュとして欠かせない、七面鳥を丸ごとオーブンで焼くローストターキーです。ターキーをオーブンで焼いたときに出る、肉汁を使って作る、グレービーソースを添えます。鶏肉より一回り大きなターキーは、それだけで食卓が華やかになるので、感謝祭だけでなく、クリスマスなど大きなお祝い事には、最もよく作られるメインディッシュです。
ローストターキーの作り方は、基本的には鶏肉の丸焼きと同じです。しかしターキーは鶏肉より脂肪分が少なく、パサパサして硬い食感になりがちなので、焼く前に下処理をする工程が、より重要になります。一般的な方法は、ブライン液という塩水に、ターキーを6時間程度浸水させて、じっくりと下味をつけていく方法です。具体的な方法は、こちらの投稿を参考にしてください。しかし、大きなターキーを丸ごと浸水させるのは、それなりの場所を必要とするので、少し大変です。一方、今回行った、ドライブライン方式では、ターキーを多めの塩やスパイスなどをまぶして、下味をつける方法です。下味をつける時間が、ブライン液に浸水させるより長く必要ですが、場所をとらないし、下処理をしたターキーを、そのままオーブンで焼くことができるので、より簡単です。ブラインに必要な塩やお砂糖も、ずっと少量ですみます。ドライブラインをしたターキーは、出来上がりは、少し燻製のような食感になりますが、より凝縮された美味しさを味わうことができます。
ドライブラインに使う塩は、約1ポンド (445 グラム) に対して、大匙1杯です。ターキーが6ポンドだったら、大匙6杯の塩を使います。砂糖の量は、塩の6分1から4分の1、6ポンドのターキーだったら、大匙1杯から1杯半ぐらいです。その他のスパイスやハーブは、好みのものを合わせます。ガーリックパウダー、黒胡椒などが一般的ですが、その他、タイムやローズパリーなどのハーブ、パプリカやオニオンパウダーなどのスパイス、レモンやオレンジの皮などを摩り下ろして加えます。柚子やカボスなどの柑橘類の皮を使ってもいいです。
器に塩とハーブ、スパイス、レモンの皮などを入れて、よく混ぜ合わせておきます。
ターキーは、冷蔵庫で完全に解凍させてから、下味をつけます。ターキーを冷蔵庫で解凍する場合、おおよそ1ポンド (445グラム) あたり、6時間程度、解凍時間が必要なので、余裕をもって準備する必要があります。どうしでも時間がない場合は、ターキーを水につけておくことで、早く解凍できます。
解凍させたターキーは、お腹の空洞部分に、レバーと首の部分が入っているので、これは取り除いておきます。
軽く内臓部分を水洗いして、余分な水分を取り除きます。ペーパータオルで、余分な水分をふきとってから、ブライン液を全体にまぶします。
モモ肉や手羽の部分の裏側や、空洞になっているお腹の部分にも、満遍なくドライブラインをまぶします。
そのまま、冷蔵庫で8時間程度ねかせます。途中で、ターキーの上下を返して、トレーにたまった水分は取り除きます。表面が全体的に乾燥したような状態にするのが、ドライブラインのポイントです。
ドライブラインをしたターキーは、水洗いなどをしないで、そのままオーブンで焼きます。ターキーの空洞部分には、玉ねぎ、ハーブ、レモンなどの柑橘類、ニンニクなどを用意して、詰めます。柑橘類は半分に切ってから使います。皮を摩り下ろした後や、他の料理で果汁を絞った後のレモンなどで大丈夫です。玉ねぎは詰めやすいように、適当な大きさに切ります。
詰め物をしたら、空洞部分をしっかりと閉じて、両足をそろえて、タコ糸でしばります。次に手羽の部分を直角にひねり、ターキーのお尻の下におさまるようにします。その後、もも肉から手羽にかけて、タコ糸をまわし、お尻の下の手羽を固定します。タコ糸で形を整えたら、表面に溶かしバターを塗ります。パサつきやすい、胸肉のまわりに、多めに塗るのがポイントです。
ターキーを焼くときは、ロースティングパンにスライスした玉ねぎなどの野菜を敷いておきます。
野菜の上に、準備したターキーをのせます。もし、ロースティングパンに専用のラックがついていたら、一度ラックの上にターキーをセットしてから、ロースティングパンにのせます。ロースティングパンにチキンブロスをそそぎます。ブロスがない場合は、200ml程度の白ワインと、水を注ぎます。このブロスを使って、グレービーソースを作ります。焼いている途中で、ロースティングパンの水分が蒸発してしまなわないように、途中でブロスや水を足すようにします。水分を補いながらやくことによって、ターキーのパサつきをふせぎ、ジューシーな仕上がりになります。もし、デジタル温度計を使う場合は、もっとも分厚い胸肉に刺しておきます。
最初は、ロースティングパンにアルミホイルをかぶせて、蒸気を中に込めるようにして焼きます。摂氏200度に温めたオーブンで、最初はアルミホイルをかぶせたまま焼きます。
ターキーの温度が摂氏55度くらいになったら、アルミホイルを取り除きます。この時に、溶かしバターをさらに表面に塗ります。オーブンの温度を摂氏180度に下げて、ターキの温度が摂氏75度になるまで焼きます。
ターキーが焼き上がったら、すぐに切り分けないで、冷めないようにアルミホイルをかぶせて、予熱で30分くらいはねかせるようにします。ねかしておくことによって、肉汁を中に閉じ込めておき、よりしっとりとした仕上がりになります
グレービーソースを作ります。小麦粉とバターを炒めたあと、チキンブロスを加えて、ルーを作る要領でよく混ぜ合わせます。
とろみがでてきたら、生クリーム、ロースティングパンに残ったグレービーを少しずつ加えます。ドライブラインをしたグレービーは、かなり塩分が濃いので、味をみながら、少しずつ加えるようにします。最後に黒胡椒、ナツメグ、塩で味を調えます。
焼きあがったターキーは、フルーツや、ハーブ、などと盛り合わせると、彩もきれいです。
Dry-Brined Roast Turkey ローストターキー (ドライブライン方式)
加熱時間 :ガスコンロの上で2-3時間 + 摂氏 200度のオーブンで 2-3時間
冷却時間 :1日
難易度— :★★☆
ドライブライン
•塩 —————————————- 大匙 6
•三温糖 ———————————- 大匙 1 g
•レモンの皮 (摩り下ろす) —- 大匙 2
•ガーリックパウダー ———— 大匙 1
•黒胡椒 ———————————- 大匙 1
ローストターキー
•ターキー —————————— 2700 g
•ローズマリー ———————— 3 枝
•玉ねぎ (中) ————————– 1 ½個
•レモン ———————————- 1 個
•ローリエ —————————— 1 枚
•ニンニク —————————— 3 片
•無塩バター(溶かす) ———— 大匙 6
•チキンブロス☆ ——————- 950 ml
グレービーソース
•無塩バター ————————— 大匙 3
•中力粉 ———————————- 大匙 1 ½
•チキンブロス ———————— 235 ml
•生クリーム ————————— 120 ml
•ナツメグ (粉) ———————- 小匙 ½
•黒胡椒 ———————————- 適宜
•塩 —————————————- 適宜
❷ブライン用の塩、三温糖、摩り下ろしたレモンの皮、ガーリックパウダー、黒胡椒を容器に入れて、よく混ぜ合わせる。ターキーの表面に、満遍なくブラインをまぶす。トレイなどにのせて、冷蔵庫で12時間程度冷やす。途中で、上下を入れ替えて、トレイにたまった水分は取り除く。
❸ターキーの内部に、皮をむいたニンニク、玉ねぎ、半分に切ったレモン、ハーブ、ローリエをつめる。さらにターキーの手羽と足の部分の形が崩れないように、タコ糸で縛り形を整える。最後に溶かした無塩バターを表面に塗る。
❹オーブンを摂氏200度に温める。
❺玉ねぎをスライスし、ロースティングパンの上に並べる。その上にターキーをおき、ロースティングパンにチキンブロスをそそぐ。ロースティングパンとターキーを包むようにして、アルミホイルで覆いをする。
❻温めておいたオーブンでターキーを2時間程度焼く。アルミホイルを外して、ターキーの表面に、再度溶かしたバターを塗る。オーブンの温度を摂氏180度に下げて、全体に焦げ目がつくまで焼く。モモの部分に温度計をさして確認し、摂氏75度になり、完全に中まで火が通るまで焼く。途中ロースティングパンのブロスが蒸発しないようにし、様子を見ながら、必要に応じてブロスか水を注ぎ足す。
❼ターキーが焼きあがったら、アルミホイルをかぶせて冷めないようにして、30分ほどおいていおく。ロースティングパンに残ったブロスは、グレービーソースを作るために、200mlほどとっておく。
❽グレービーソースを作る。フライパンにバターと小麦粉を入れて、中火にかける。バターが溶けてきたら、小麦粉がだまにならないように、良くかき混ぜながら、火を通す。ルーを作る要領で、チキンブロスを少しずつ入れて、良くかき混ぜる。とろみがでてきたら、生クリーム、❼ のグレービーを味を見ながら少しずつ加える。黒胡椒、ナツメグ、塩で味を調える。
☆ Chicken Broth チキンブロス
調理時間 :ガスコンロの上で3-4時間
難易度— :★★☆
•玉ねぎ (中) ————————– 2 個
•人参 (中) ————————— 1 本
•葉付セロリ ————————— 2 本
•イタリアンパセリ —————- 2 枝
•ローリエ —————————— 2 枚
•ニンニク —————————— 3 片
•タイムの葉 ————————— 3 枝
•黒胡椒 ———————————- 小匙 ½
❷玉ねぎはくし切り、にんじんとセロリは適当な大きさの乱切りにする。
❸全ての材料を鍋にいれ、材料が十分にかぶるくらいの水を入れる。蓋をしばらく強火にかける。沸騰したら火を弱め、あくと余計な脂分を取り除きながら、蓋をとって弱火で2~3時間程度、煮詰める。
❹鶏肉から骨が簡単にとりのぞけるようになったら、火をとめる。ざるにあけてスープをこす。