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Cassoulet カスレ

白いんげん豆と塩漬けした豚肉、ソーセージを時間をかけて煮込み、キャセロールディッシュで焼いてつくる、フランスの郷土料理、カスレ (Cassoulet) です。カスレの起源は古く、1353年ごろ、南フランスのカステノーダリー (Castelnaudary) という町ではないかと言われています。数えきれないほどのレシピがありますが、基本的には白いんげん豆と数々の種類の塩漬けした豚肉を煮て、パン粉をトッピングして焼いたものです。洗練された、フランス料理のイメージが強いですが、もともとは、安い豚肉と豆を利用した、とても田舎風の牧歌的な料理です。

豆と塩漬けにした肉を煮る料理は、アメリカ南部や南米各地に広く根付いており、一説には、奴隷制の影響ではないかと言われています。しかし、類似した料理は、ヨーロッパの各地には古くからあるので、安価な豆と保存に適した豚肉との組み合わせのルーツは、欧州にあると考えていいと思います。

カスレは、地域や家庭によって、様々なバリエーションがありますが、もっとも古くて有名なのは、カステノーダリーのカスレで、ハムやロース肉、ソーセージなどの様々な豚肉と鴨のコンフィを使ったものです。さらに、カルカソンヌ (Carcassonne) では、豚肉の他に、羊や鶉を使ったり、トュールーズ (Toulouse) では、トュールーズ産のソーセージを使い、トマトを加えたカスレが有名です。その他には、様々なバリエーションがあり、野菜は玉ねぎだけでなく、人参やセロリを加えたり、さらには、塩漬けした鱈を使い、肉を使わないものカスレや、独特のスパイスで味付けしたものもあります。

今回作ったのは、自家製のソルトポークと、粗挽きのソーセージを使ったカスレです。日本では料理質な加工肉がなかなか入手しにくいのですが、出来るだけ身近にある材料で、フランスのカスレに近づけるように工夫してみました。

白いんげん豆は、中南米産の乾燥したものを使います。軽く水洗いした後、冷水の6時間程度浸して、ふやかします。時間がない場合は、熱湯をわかして、熱湯に浸水させます。熱湯の温度が冷めないようにボールに蓋をしておけば、一時間程度に水分を吸収して大きくなります。

ソルトポークは、自家製のものを使います。スペアリブなどの骨付きの豚肉に、10パーセントから、20パーセント程度の塩をまぶします。豚肉の種類は、ネックボーンや豚足など、安い部位のものでもOKです。ラップをして、冷蔵庫で3日間程度ねかせれば完成です。途中で、水分がでてきたら、余分な水分は捨てて、少し乾燥させるようにして、熟成させます。使うときは、軽く水に浸して、塩気を軽くぬいておきます。

フレッシュなハーブを医療用のガーゼに包んで、簡易的なブーケガルニを作ります。ローリエ、タイム、ローズマリー、セージ、イタリアンパセリやセロリの葉など、手元にあるもので大丈夫です。

ソーセージは、フライパンで焼いて、軽く焦げ目をつけておきます。

焼き上がったら、フライパンから取り出しておきます。ソーセージから出る脂は、フライパンに大匙2杯程度残して、残りの脂はとりわけておきます。

フライパンに残した脂で、玉ねぎを炒めます。人参やセロリなどの野菜を加える場合は、微塵切りにして、このタイミングで一緒に炒めます。

玉ねぎがしんなりとしてきたら、微塵切りにしたニンニクを加えます。

大きめの鍋で、ふやかした後、水気を切ったいんげん豆、ソルトポーク、炒めた玉ねぎ、ブーケガルニを入れます。

全ての材料が十分浸る程度のチキンブロスを加えます。ブロスがない場合は、水だけで作っても、豚肉から十分な出汁がでます。中火にかけて、沸騰したら弱火にして、豆が軟らかくなるまで煮込みます。

豆が軟らかくなったら、ソルトポークを取り出して、骨を取り除き、肉だけをとりわけます。

ソーセージを焼いたときに残った脂を使って、パン粉を炒めます。軽くかき混ぜて、パン粉が脂を吸収すればOKです。

キャセロールディッシュにも、ソーセージの脂を塗ってから、煮込んだ豆を流しいれます。豆と一緒に、少量の煮汁も加えます。

煮込んだソルトポークを加えます。

予め焼いておいた、ソーセージを入れます。

パン粉をトッピングして、摂氏190度に温めたオーブンで、表面に焦げ目がつくまで、40分から50分程度焼きます。

Cassoulet カスレ
準備時間 : 20分
加熱時間 :ガスコンロの上で1時間半-2時間 + 摂氏 190度のオーブンで 45分
難易度★★★
【 材料 4-6 人前 】
白いんげん豆 (乾燥) ———- 250 g
自家製ソルトポーク ——– 445 g
豚肉ソーセージ ——————- 600 g
オリーブオイル ——————- 大匙 1
玉ねぎ (中) ————————– 2個
ニンニク —————————— 大匙 2
ローリエ —————————— 1枚
タイムの葉 ————————— 2 枝
イタリアンパセリ —————- 2 枝
チキンブロス☆☆ —————- 700 ml
パン粉 ———————————- 235 ml
—————————————- 適宜
黒胡椒 ———————————- 適宜
【 作り方 】
いんげん豆をよく洗って、3倍くらいの水に6時間以上つける。
玉ねぎを微塵切りにする。ニンニクは細かい微塵切りにする。ローリエとフレッシュなハーブをガーゼに包み、簡易的なブーケガルニを作る。
フライパンにオリーブオイルをひいて中火にかける。ソーセージを入れて、全体に焦げ目がつくまで焼く。焼き上がったら、フライパンから取り出す。ソーセージを焼いた後の脂も、大匙2杯程度を残して、とりわけておく。
のフライパンに玉ねぎを入れて炒める。しんなりとしたら、ニンニクを加えて、軽く炒める。
大きめの鍋に、ふやかした後、水気をきったいんげん豆、炒めた玉ねぎ、ソルトポーク、ブーケガルニ、チキンブロスを入れて、火にかける。沸騰したら弱火にして、豆に火が通るまで煮る。最後に、塩と黒胡椒で味を調節する。
いんげん豆が軟らかくなったら、ソルトポークを取り出し、骨を取り除いて、肉の部分だけを分けておく。
摂氏190度に、オーブンを温める。
でとりわけておいた脂をフライパンに大匙2杯程度入れて、火にかける。パン粉を加えて、パン粉が脂を吸収するまでかき混ぜて、火を通す。
ベーキングディッシュに、 の脂をぬってから、軟らかくなったいんげん豆と、少量の煮汁を入れる。さらに、とりわけておいた豚肉、ソーセージを並べる。最後に のパン粉をトッピングする。
温めておいたオーブンで、表面に軽く焦げ目がつくまで、40分から45分程度焼く。
Homemade Salt Pork 自家製ソルトポーク
準備時間 : 10分
冷却時間 :3日
難易度★☆☆
【 材料 300 g 】
豚肉骨付き (スペアリブ、 ネックボーンなど) 300 g
—————————————- 20 g
【 作り方 】
豚肉に満遍なく塩をなじませる。密閉した容器に入れて、冷蔵庫で3日程度ねかせる。
使うときは軽く水につけて、塩をぬく。
☆☆ Chicken Broth チキンブロス
準備時間 : 20分
調理時間 :ガスコンロの上で3-4時間
難易度★★☆
【 材料 2000 ml 】
鶏一羽 又は骨付きの鶏肉 —– 600 g
玉ねぎ (中) ————————– 2 個
人参 (中) ————————— 1 本
葉付セロリ ————————— 2 本
イタリアンパセリ —————- 2 枝
ローリエ —————————— 2 枚
ニンニク —————————— 3 片
タイムの葉 ————————— 3 枝
黒胡椒 ———————————- 小匙 ½
【 作り方 】
鶏ガラは内臓、余計な脂肪などは取り除く。
玉ねぎはくし切り、にんじんとセロリは適当な大きさの乱切りにする。
全ての材料を鍋にいれ、材料が十分にかぶるくらいの水を入れる。蓋をしばらく強火にかける。沸騰したら火を弱め、あくと余計な脂分を取り除きながら、蓋をとって弱火で2~3時間程度、煮詰める。
鶏肉から骨が簡単にとりのぞけるようになったら、火をとめる。ざるにあけてスープをこす。
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