Far Breton ファーブルトン
フランスのブルターニュ地方の伝統的なお菓子、ファーブルトン (Far Breton) です。ファー (Far) というのは、ラテン語で小麦や穀物をあらわす言葉で、ブルターニュ地方の小麦、というような意味です。クレープと同様の生地と、フルーツをあわせて、焼き上げる、素朴なカスタード生地を使ったお菓子です。小麦粉のグルテンをしっかりと生かすようにして作るのがポイントで、もちもちとした食感が持ち味です。ブルターニュ地方は、クレープやガレットの発祥と言われる地域なので、厚焼きのクレープと呼ばれることもあります。
同じようなクレープ生地を使ったお菓子に、クラフティ(clafoutis) があります。クラフティは、ファーブルトンよりも、加えるフルーツの量が多く、カスタードよりも、フルーツが主役になるデザートで、チェリーを使ったクラフティがとくに有名です。
ファーブルトンは、プルーンをはじめ、レーズンやアプリコットなどの、ドライフルーツを使ったレシピが多いです。ドライフルーツをラムなどの洋酒につけて、洋酒の香りをいかすことの特徴的ですが、伝統的なレシピでは、洋酒を加えない素朴なものが多かったようです。ドライフルーツのかわりに、林檎や洋梨などのフレッシュなフルーツを加えることもあり、使うフルーツで様々なバラエティーが楽しめます。
生地は、タルト型やケーキ型など、円形の焼型で仕上げることが多いですが、アメリカのレシピでは、ブラウニーやバター餅のように、四角い耐熱容器で作るものも多くあります。同じ材料でも、出来上がりの形が違うだけで、お菓子の印象が変わるのは、面白いと思います。

ドライフルーツの下準備をします。お酒はダークラムを使うことが多いですが、ブランデーやウイスキーなど、好みのもので構いません。洋酒を使いたくない場合、紅茶やオレンジの果汁でも、同じようにふやかすことができます。
プルーンとダークラム酒を鍋に入れて、中火にかけて、軽く沸騰させます。

プルーンが洋酒を吸収するように、そのまま1時間程度ねかせます。

生地を作ります。クレープ生地は、ミキサーで攪拌すると簡単です。小麦粉、牛乳、卵を入れて、全体を攪拌します。最後に、溶かしバター、バニラエクストラクトを加えます。

出来上がった生地は、さらに1時間程度、冷蔵庫で寝かせると、よりグルテンがでて、もちもちとした食感に仕上がります。

焼き型に、薄くバターを塗っておきます。タルト型を使っていますが、ケーキ型でもいいし、四角い耐熱容器でも構いません。

用意した、プルーンを均等に並べます。

生地を注ぎます。

摂氏200度のオーブンに入れて、焦げ目がつくまで、40分程度焼き上げます。

好みの大きさに切り分けます。ホイップした生クリームを添えています。


Far Breton ファーブルトン
加熱時間 :摂氏 200度のオーブンで 35-40分
冷却時間 :60分
難易度— :★★☆
•ダークラム ————————— 80 ml
•バター ———————————- 45 g
•卵 —————————————- 2 個
•牛乳 ————————————– 475 ml
•砂糖 ————————————– 40 g
•薄力粉 ———————————- 130 g
—- 又は 中力粉 ———————— 120 g
•バニラエクストラクト ——– 小匙 1
❷牛乳、卵、砂糖、小麦粉を、ブレンダーに入れて、よく混ぜ合わせる。最後に溶かしたバター、バニラエクストラクトを入れて、軽く混ぜる。
❸オーブンを摂氏200度に温める。
❹焼型にバター (分量外) を塗ってから、❶ のプルーンを均等に並べる。さらに❷ のカスタード液を焼型に注ぐ。
❺温めておいたオーブンで、表面に軽く焦げ色がつくまで、40分程度焼く。




