Pizza Rustica ピザルスティカ
ピザルスティカ (Pizza Rustica) は、南イタリア発祥の、大きなキッシュのようなピザで、イースターをお祝いする豪華なパイです。英語では、Italian Easter Pie と呼ばれることもあります。地域によって、ピザ生地を使う場合と、キッシュと同じような、バターと卵が含まれたパイ生地を使う場合があります。キッシュと違う点は、生地をキッシュに蓋をするようにかぶせて、焼き上げるのが、特徴的です。具材は、ソーセージやハム、サラミなどの加工肉とチーズをたっぷり加えます。生地で蓋をするので、具材は、液体のクリームや卵などが少なく、固形のチーズや肉類が中心になります。
加える加工肉は、イタリアンソーセージのケーシングを取り除いて、火を通してそろぼ状にしたものや、サラミやハムの角切りや、薄切りにした生ハムなどです。日本では上質な加工肉は手に入りにくいので、ブレックファストソーセージのように、イタリアンソーセージの中身だけを手作りして使うのが、もっとも作りやすいと思います。今回は、自家製のチキンサラミを使っています。中途半端な既製品を使うより、自家製のものの方が絶対美味しいし、作り方もそれほど難しくないので、ぜひ色々なレシピに挑戦してみてくいださい。
パイ生地を作ります。一般的なショートクラストペストリー (short crust pastry) と似ていますが、卵が入っている点が特徴的です。量がかなり多いので、手でバターを練りこむよりも、フードプロセッサーを使うことをお勧めします。
小麦粉は中力粉の方が、イタリアの小麦粉に近いです。薄力粉でも、量を少し調整すれば、問題なく作れます。小麦粉を計量してボールに入れます。無塩バターとショートニングを細かく切って加えます。
フードプロセッサーに小麦粉と油脂類を入れます。バターの塊がなくなって、全体がポソポソした感じなるまで、攪拌します。
卵と水を器に入れて、混ぜ合わせます。
フードプロセッサーに卵液を少しずつ加えながら攪拌します。パイ生地と同様に、小麦粉を抑えると塊になる感じで、全体がしっとりとした感じなればOKです。卵液は全て加えなくていいので、様子をみながら少しずつ加えます。余った卵液は、最後に表面に刷毛で塗って、艶出しに使います。
生地をラップでくるんで、まとめます。冷蔵庫で30分から1時間程度冷やします。
冷やしたパイ生地の4分の一量を、小さめの円盤型にまとめます。 残りのパイ生地も大きめの円盤型にします。小さい生地は約200グラム、大きい生地は600グラムほどになります。
フィリング用の食材を準備します。サラミやハムなどを使う場合は、1センチ角程度に切りそろえます。イタリアンソーセージやブレックファストソーセージを使う場合は、フライパンで炒めてそぼろ状にします。チーズは好みのものでいいと思いますが、それぞれ、グレイターなどで摩り下ろして細かくします。今回使ったのは、セミハードタイプのモッツレラチーズ、パルメジャーノレジャーノ、自家製のリコッタチーズです。
ケーキ型は、底が抜けるタイプのものを使います。軽くケーキ型に植物油を刷毛で塗っておきます。
大きい方の生地を、ケーキ型より一回り大きな円形に伸ばします。
生地をケーキ型に入れて、形を整えます。側面の高さは、5センチ程度にそろえます。
ケーキ型に具材を詰めます。最初にチーズの3分の一量を生地の上にのせます。その上に、加工肉の半量をのせます。この作業を繰り返して、最終的に、チーズ→加工肉→チーズ→加工肉→チーズの順に、重ねて5層にします。
卵をボールに入れて、軽くかき混ぜます。サラミやソーセージ、チーズに味がついているので、卵液は味をつけないで、そのまま使います。
チーズの上から、卵液を注ぎます。
蓋にする、生地を形成します。残りの生地を使って、丁度、ケーキ型の内側と同じ大きさになるように、円形に伸ばし手形成します。
ケーキ型にのせます。
端の生地を手でつまんで、ひっつけるようにします。
内側に折り返して、抑えるようにします。
フォークで押さえて、飾りつけます。
生地を作るときに残った卵液を、刷毛で塗って、艶出しにします。摂氏190度に温めたオーブンで、軽く表面に焦げ目がつくまで、1時間程度焼きます。
手で触れる程度に冷めたら、ケーキ型を外して、器にもりつけます。
Pizza Rustica ピザルスティカ
加熱時間 :ガスコンロの上で35分 + 摂氏 190度のオーブンで 55-60分
難易度— :★★☆
クラスト
•薄力粉 ———————————- 450 g
—- 又は 中力粉 ———————— 420 g
•無塩バター ————————— 165 g
•ショートニング 又は ラード — 60 g
•卵 —————————————- 3 個
•水 —————————————- 60 ml
フィリング
•サラミ、イタリアンソーセージ 又は ブレックファストソーセージ☆ 350 g
•リコッタチーズ☆☆ ———— 225 g
•モッツァレラチーズ ———— 100 g
•パルメジャーノチーズ (粉) — 30 g
❷卵と水を器に入れて、軽く混ぜ合わせる。混ぜ合わせた卵液を、生地全体がしっとりとまとまるまで、少しずつ加えながら混ぜる。
❸生地をラップにつつんで一時間程度冷蔵庫で冷やす。
❹オーブンを摂氏190度に温める。ケーキ型には、植物油 (分量外) を塗っておく。
❺サラミは、1センチ角に切りそろえる。イタリアンソーセージは、ケーシングから中身を取り除き、フライパンで炒めて火を通す。
❻モッツレラチーズはグレイターで細かくしておく。パルメジャーノは、細かく摩り下ろす。リコッタは、手で細かく裂いておく。
❼パイ生地の3/4、約600グラムを、ケーキ型より一回り大きな円形の薄く伸ばす。ケーキ型にパイ生地を敷きつけて、側面を5センチほどの高さに切りそろえる。
❽❼ のケーキ型に、チーズの3分の一量をひき詰める。その上に、サラミ又はソーセージの半量をのせる。この作業を繰り返し、チーズの3分の一、サラミやソーセージの半量、チーズの3分の一量をのせる。卵をボールに入れて、軽く聞混ぜる。ケーキ型に満遍なく流し入れる。
❾残りのパイ生地を、ケーキ型と同じ大きさの円形の薄く伸ばす。ケーキ型にかぶせて、淵を指でつまんでから、内側におり変える。軽くフォークで、折り返したパイ生地に飾りをつける。クラストを作るときの残った卵液を、刷毛で表面に塗る。
❿温めたオーブンで、表面に軽く焦げ目がついて、フィリングが固まるまで、1時間程度焼く。
☆ Breakfast Sausage ブレックファストソーセージ
難易度— :★★☆
•黒胡椒 ———————————- 小匙 ½
•ガーリックパウダー ———— 小匙 1
•オニオンパウダー —————- 小匙 1
•コリアンダー (粉) ————– 小匙 1
•フェンネル(粒) ——————- 小匙 1
•塩 —————————————- 小匙 ½
•冷水 ————————————– 大匙 1
☆☆ Homemade Ricotta Cheese 自家製リコッタチーズ
調理時間 :ガスコンロの上で10-15分
冷却時間 :60分
難易度— :★★☆
•生クリーム ————————— 355 ml
•塩 —————————————- 小匙 1
•レモン汁 —————————— 60 ml
❷温度が摂氏85度程度になったら火をとめる。レモン汁を加えて、ゆっくりとかき混ぜる。
❸そのまま5分程度おく。チーズになる固形成分が分離して乳清ができたら、細かい布をかけた笊をつかってこす。
❹30分から一時間程度おいて、水分をきる。