Poulet au Vinaigre 鶏肉のビネガー煮
フランスには鶏肉を使った郷土料理が多くあります。これは、若鳥をビネガーで風味づけして煮込んだ、リヨンの郷土料理です。比較的、手に入りやすい材料で作るので、家庭でも気楽に作れるフランス料理の一つだと思います。
鶏肉は、基本的にはどこの部位でもいいのですが、出来れば、骨付きの部位の方が、濃厚なスープになります。今回は1キロ程度の小さめの丸鶏を、使っています。最初に、軽く塩と黒胡椒をまぶして、30分程度室温でねかせます。
焼く直前に、茶こしなどを使って、小麦粉を全体に軽くまぶします。
厚手の鍋を中火にかけて温め、オリーブオイルをひいてから、鶏肉の皮の面を下にして焼いていきます。軽く焦げ目がついたら、ひっくり返して、反対の面にも焦げ目をつけます。
両面を焼いたら、別の器に取り出しておきます。後で煮込むので、完全に火を通す必要はありません。
鶏肉を焼いた鍋で、微塵切りにした玉ねぎとニンニクを炒めます。フランスでは、エシャロットと呼ばれる、小ぶりの玉ねぎが、よく使われます。それほど、長く炒める必要はないので、しんなりとしたらOKです。
続いて、赤ワインビネガーを40mlほど加えます。炒めながら、水分を蒸発させます。
お酢の水分がなくなったら、残りのワイビネガーを加えて、この作業をもう一度繰り返します。お酢の水分をとばすことによって、お酢の強い酸味が抜けて、出来上がりがマイルドになります。水分がとんでも、ビネガーの風味はしっかりと残るので大丈夫です。同時に、鍋底をよくかきまぜるようにして、底にこびりついているものをはがすようにするのがポイントです。
次に白ワインを加えて、一度蒸発させて、アルコールをとばします。さらに、チキンブロスとトマトペーストを加えて、混ぜ合わせます。トマトペーストの代わりに、フレッシュなトマトを1個使って、微塵切りにして加えてOKです。
鶏肉を鍋にもどして、弱火で鶏肉に火が通るまで煮込みます。
鶏肉に火が通ったら、鍋から取り出して、お皿に盛り付けます。
鍋に残った煮汁は、少し煮詰めて、好みの濃さに調整します。もし、さらに上品な仕上がりにしたい場合は、煮詰める前に、一度煮汁を全て笊などでこしておくと、ソースがなめらかになります。
生クリームを加えて、よくかき混ぜます。
塩、黒胡椒を加えて、味を調節して、ソースの完成です。
鶏肉に上から、ソースをかけます。
さらにフレッシュなタラゴンやパセリのみじん切りをトッピングします。
【 材料 4-6 人前】- 鶏胸肉 1000 g
- 塩 小匙 ½
- 黒胡椒 小匙 1/3
- 中力粉 大匙 1
- ニンニク 4 片
- 玉ねぎ(中) ½ 個
- オリーブ オイル 大匙 2
- チキンブロス 120 ml
★
Chicken Broth: 鶏肉をベースにしたブロス(ダシ)で、ブロスの中で最もよく使われる。自宅で手作りするのが大変な場合は、缶詰やパック詰めにされた市販品を使うか、チキンコンソメの素などを好みの濃さに溶かして、利用する。
- 赤ワインビネガー 80 ml
- 白ワイン 120 ml
- トマトペースト 大匙 1
- 生クリーム 200 ml
- パセリ又はタラゴン(微塵切り) 大匙 1
- 鶏肉に塩と黒胡椒をまぶして、30分程度おく。
- 玉ねぎは薄切り、ニンニクは細かいみじん切りにする。
- 鶏肉に茶こしなどを使って、小麦粉を薄くまぶす。
- 鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけ、鶏肉の表面に軽く焦げ目がつくように、両面を焼く。
- 鍋から一度鶏肉を取り出し、同じ鍋に、玉ねぎとニンニクを入れて、炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたら、ビネガーの半量を入れて、少し炒めながら水分を蒸発させる。残りのビネガーを加えて、同じように炒めながら蒸発させる。さらに、白ワインを入れて、沸騰するまでに混む。
- チキンブロスとトマトペースト、3. の鶏肉を鍋に戻す。蓋をして、弱火にして、鶏肉に火が通るまで15分程度煮る。
- 鶏肉に火が通ったら、鍋からとりだしておく。火を少しだけ強くして、スープを好みの濃さになるまで煮詰める。最後に、生クリームを加えて、塩と黒胡椒で味を調える。
- 皿に鶏肉をもり、8. のソースをかける。
Chicken Broth チキンブロス
- 鶏ガラ 600 g
- 玉ねぎ(中) 2 個
- 人参(中) 1 本
- 葉付セロリ 2 本
- パセリ 2 枝
- ローリエ 1 枚
- ニンニク 1 片
- タイムの葉 3 枝
- 黒胡椒 小匙 ½
- 鶏ガラは内臓、余計な脂肪などは取り除く。
- 玉ねぎはくし切り、にんじんとセロリは適当な大きさの乱切りにする。
- 全ての材料を鍋にいれ、材料が十分にかぶるくらいの水を入れる。蓋をしばらく強火にかける。沸騰したら火を弱め、あくと余計な脂分を取り除きながら、蓋をとって弱火で2~3時間程度、煮詰める。
- 鶏肉から骨が簡単にとりのぞけるようになったら、火をとめる。ざるにあけてスープをこす。