Southern Biscuits アメリカ南部風ビスケット
コーンブレッドと並んで、アメリカ南部のベーキングの中で、最も南部らしいものがビスケットです。KFCのサイドメニューとして提供されているので、食べたことあるという人も多いと思います。KFCのビスケットはドーナツのように穴が開いていますが、家庭でつくるアメリカのビスケットは、穴は開いていません。穴をあけているのは、飲食店ならでの工夫だと思います。
見た目はスコーンと似ていますが、ビスケットのレシピはスコーンとはかなり違います。卵が入っていないので、生地を出来るだけ軟らかく、ふんわりとした食感にするのが、ビスケットです。バターを使うことが多いですが、アメリカではショートニングやラードだけで作ることもあります。
小麦粉は中力粉でも、薄力粉でも作ることができます。一般的に、アメリカでよく使われる小麦粉は、オールパーパスフラワー (all-purpose flour) と呼ばれる、パンにもお菓子にも、料理にも使えるという、中力粉が主流です。しかし、小麦粉は、寒い気候の地域でとれるものほど、グルテン量が多くなるので、アメリカ南部では、グルテンの量の少ない、薄力粉に近い小麦粉しか栽培できませんでした。それゆえに、グルテンの少ない小麦粉を使って、イースト菌を使わない、独自のベーキングの仕方が発達したと言われています。今日でも、アメリカ南部式のベーキングで、好んで使われるのは ホワイトリリー (White Lily)というブランドのもので、グルテン含有量の低く、薄力粉のような小麦粉です。従って、ビスケットやパイ生地などで、南部風の仕上がりを再現したいときは、薄力粉を使うことをお勧めします。
作り方は、パイ生地とかなり似ていますが、パイ生地よりも水分の量が多く、油脂の量が少ないです。まず、小麦粉、ベーキングパウダー、重曹、塩をボールに入れて、軽く混ぜ合わせます。その後、小さく切ったバターとラードを粉類に練りこんでいきます。
バターの塊がなくなって、全体がパサパサとした感じになったら、牛乳とヨーグルトを混ぜ合わせます。アメリカではバターミルクを使いますが、ヨーグルトと牛乳でも同じように作ることが出来ます。ギリシアヨーグルトを使うと、やや生地の食感が硬くなるので、軟らかめの普通のヨーグルトがお薦めです。ヨーグルトの塊がのこらないように、予め、ヨーグルトと牛乳をよくまぜあわせておいてから、生地に加えます。
あまり練りすぎないように注意して、全体をまとめます。
生地が軟らかいので、打ち粉をつかいながら、ビスケットを形成します。生地を1.5センチぐらいの厚さにのばしたら、ビスケット型やコップなどを利用して、丸くくりぬきます。
摂氏200度に温めたオーブンで、15分程度焼いたら、出来上がりです。
Southern Biscuits アメリカ南部風ビスケット
加熱時間 :摂氏 200度のオーブンで 12-15分
難易度— :★★☆
•ベーキングパウダー ———— 小匙 3
•重曹 ————————————– 小匙 ½
•塩 —————————————- 小匙¼
•バター ———————————- 大匙 3
•ショートニング又は ラード — 大匙 2
•プレーンヨーグルト ———— 60 ml
•牛乳 ————————————– 120 ml
❷❶ の粉類と細かく刻んだバター、ショートニングを生地がしっとりした感じになるまでよく混ぜ合わせる。
❸オーブンを摂氏200度に温める。
❹牛乳とヨーグルトとよく混ぜ合わせてから、❷ の生地に加え、軽く混ぜ合わせてひとつにまとめる。
❺打ち粉をつかいながら、❹ の生地を1.5センチ程度の厚さにのばした後、粉をつけたビスケット型でくりぬくか、好みの大きさに切る。
❻❺ をベーキング用の紙を敷いた鉄板に並べ、軽く焦げ目が付くまで、12分~15分焼く。