11 パン

Stollen ホシノ天然酵母でシュトーレン

シュトーレン (Stollen) は洋酒がきいたドライフルーツとナッツを加えて作る、ドイツの菓子パンです。ドイツのドレスデン (Dresden) と言う地域が発祥で、クリスマス向けのパンとして、最も有名なパンの一つパンです。ドライフルーツとナッツ、アーモンドの粉で作るマジパンが入り、表面を粉砂糖で分厚くコーディングするのが特徴です。見た目は甘そうですが、パンの生地自体はほとんどお砂糖を加えないで作るので、実際は見た目ほど甘くはなく、食べやすいです。粉砂糖をコーディングするのは、パンをより長持ちさせるためでもあり、洋酒も入っているので、クリスマスの長い祝日の間、時間をかけて少しずつ食べられるようになっているのが特徴です。

ストレーンは、ひょうたんを潰したような、独特な形が印象的です。通常パンを焼くときは、生地の継ぎ目を底面にするようにして、出来るだけ、パンの表面が平らでなめらかになるように焼き上げます。しかしシュトーレンは、継ぎ目を上にして、わざとボコッとした、くぼみができるように焼きます。もっとも、表面を粉砂糖で覆ってしまうので、表面をきれいにする必要がありません。このシュトレーンの形が何を表しているのかは、いくつかの説があります。一つには、ドレスデンにあった鉱物を採掘する鉱山トンネルを表しているとも言われます。また別の説では、お包みをまとった生まれたばかりのイエスキリストを象徴しているとも言われます。

シュトーレンに入れるフルーツの洋酒漬けは、パンを焼く前日くらいに用意しておきます。長くつけるほど、洋酒の風味が強くなりますが、凡そ6時間から1日半程度が目安です。あまりお酒の香りをきかせたくない場合は、3時間ほど浸して、笊にあけるようにするとよいと思います。

洋酒につける前に、ドライフルーツを軽くお湯に浸して、少しふやかします。

その後、よく水分をきってから、ボールに入れて、ラム酒を注ぎ、全体を軽く混ぜ合わせます。少し時間がたってから、再度かき混ぜて、全体に満遍なく洋酒が吸収されるようにします。

今回もホシノの天然酵母を使ったので、ホシノ天然酵母の生種起こしの仕方は、こちらを参照してください。ホシノ天然酵母を25グラム分を生種起こししたものと、卵、卵黄、牛乳、砂糖をボールに入れて、よくかき混ぜます。卵は、全卵を1個と、卵黄を1個使います。残りの卵白1個分は、アーモンドのマジパンを作るときに使うので、とっておきます。牛乳は、予め40度程度に電子レンジで温めておくと、発酵が楽です。

強力粉と塩、シナモン、ナツメグ、クローブをボールに入れて、軽く全体を混ぜ合わせます。

予め混ぜ合わせておいた、卵と牛乳、天然酵母を生地に加えます。

生地を一つにまとめていきます。生地が粉っぽいようだったら、少量の牛乳を加えて調節します。

生地が一つにまとまったら、細かく切った無塩バターを加えて、練りこんでいきます。バターは予め室温にもどしておくと楽です。

スタンドミキサーにボールをセットして、表面がなめらかな感じになるまで、よくこねます。

表面を整えたら、乾燥を防ぐために軽く霧吹きで水をかけて、ラップをして、温かい室内において、一次発酵させませす。おおよそ、生地が二倍くらいになれば、一次発酵完了です。

一次発酵させている間に、生地に加えるフルーツとナッツを準備します。

最初に洋酒につけたレーズンとクランバリーは、笊にあけて、余計な水分をよくきっておきます。

アーモンドは、少し硬いので、細かめの微塵切りにします。オレンジピールの砂糖漬けは、大きめの微塵切りにします。オレンジピールの砂糖漬けは、製菓用品で買うこともできるし、金柑や皮の分厚いオレンジを使って、自宅で作ることもできます。

一次発酵させた生地の空気を抜いてから、用意したドライフルーツとナッツを加えて、全体を軽く混ぜます。

少し、力がいるので、再度スタンドミキサーにボールをセットして、全体を混ぜます。

ドライフルーツの水分量が多くて、ベタベタするようだったら、少量の強力粉を加えて調節します。

生地にフルーツが漫勉なく混ざったら、全体を2当分にして、軽く丸めます。

アーモンドのマジパンを作ります。アーモンドプードルと粉砂糖をボールに入れて、全体を混ぜます。

卵白を加えて、さらに混ぜ合わせます。粉っぽさがなくなってこればOKです。卵白が少なすぎて、マジパンがまとまらない場合は、牛乳を少量加えて調節します。

マジパンを二等分して、ラップに包みます。

直径3センチ程度、長さが20センチ程度の棒状に形成します。

マジパンを包むように、パンの生地を長方形に伸ばします。マジパンを真ん中より、少し端によせて、パンの生地でマジパンを包むようにして、シュトーレンを形作ります。

継ぎ目を軽く押さえて、わざとくぼみを作るようにします。

鉄板にベーキングシートなどを敷いて、その上にシュトーレンをのせます。軽く霧吹きで水をかけて、温かい室内において、二次発酵させます。

一回り大きく発酵したら、二次発酵完了です。摂氏200度に温めたオーブンで、45分から60分程度、軽く表面に焦げ目がついて、中まで火が通るまで焼きます。

焼き上がったらラックの上にのせます。

出来るだけ熱いうちに、無塩バターを溶かして、表面に刷毛で塗ります。シュトーレンの側面にも、塗るようにします。

茶こしなどを使って、パンが出来るだけ熱いうちに、粉砂糖を全体にふりかけます。パンを傾けながら、側面にも粉砂糖がかかるようにします。

パンが冷めてから、もう一度粉砂糖をかけるようにすると、きれいな表面に仕上がります。

【 材料 2 本
  • ホシノ天然酵母(生種起こしをしたもの) 25 g
  • 強力粉 440 g
  • シナモン(粉) 小匙 1
  • クローブ(粉) 小匙 ¼
  • ナツメグ(粉) 小匙 ¼
  • 塩 小匙 ½
  • 卵 1
  • 卵黄 1
  • 牛乳 120 ml
  • 蜂蜜 大匙 1
  • 無塩バター 110 g
  • オレンジピールの砂糖漬け 200 g
  • アーモンド 85 g

ドライフルーツの洋酒漬け

  • 干し葡萄 175 g
  • クランベリー(乾燥) 100 g

    Cranberries: 小さなサクランボーのような外見をした、酸味の強い果実。そのままマフィンやクイックブレッドに混ぜて使用されたり、生の果実を煮詰めてソースを作り、感謝祭の七面鳥の付け合せに添えられる。

  • ダークラム 120 ml

マジパン

  • アーモンドプードル 160 g
  • 粉砂糖 100 g
  • 卵白 1

仕上げ

  • 無塩バター 50 g
  • 粉砂糖(仕上げ用) 適宜
【 作り方 】
  1. 干し葡萄とクランベリーは、ぬるま湯でふやかしてから、笊にあけて水気をよく切る。ボールに入れて、ラム酒を注ぎ、全体を軽く混ぜ合わせる。時々かき混ぜながら、6時間から1日程度、ラム酒を吸収させる。
  2. 牛乳は摂氏40度に温めておく。ボールに生種起こしをしたホシノ天然酵母、温めた牛乳、卵、卵黄、蜂蜜を入れて、よくまぜあわせる。強力粉と塩、スパイスをよく混ぜ合わせ、混ぜ合わせた母卵液を少しずつ加えて混ぜ合わせる。粘り気が出るまで、よく混ぜ合わせる。生地がなめらかな状態になり、ボールや手につかないようになるまで、力強くこねる。生地がなめらかな状態になったら、バターを加えてさらによくこねる。
  3. 生地を丸く整えたら、軽く霧吹で水をかけて、ボールにラップをする。温かい室内において、生地の容量が焼く2倍になるまで、発酵させる。
  4. オレンジピールは大きめの微塵切り、アーモンドは細かい微塵切りにする。ドライフルーツの洋酒漬けは笊にあけて、余分な水分をよくきっておく。
  5. 発酵した生地をおしつぶして、空気を抜く。4. のドライフルーツの洋酒漬けと、オレンジピール、アーモンドを加えて、全体をよく混ぜ合わせる。水分が多すぎるようだったら、少量の強力粉を加えて調節する。生地を2当分にして丸めて、20分ほどねかせる。
  6. マジパンを作る。アーモンドプードルと粉砂糖をボールに入れて混ぜ合わせる。さらに卵白を加えながら、全体を一つにまとめる。マジパンを2当分して、それぞれラップに包んで、全体を円形の棒状に形成する。
  7. 5. の生地をマジパンの長さにあわせて、平たい長方形に形成する。生地の上にマジパンをのせて、くるくると巻き込むようにして、シュトーレンの形を作る。ベーキング用シートなどを敷いた鉄板の上にのせて、乾燥しないように軽く霧吹きで水をかける。生地が一回り大きくなるまで、温かい室内において、二次発酵させる。
  8. オーブンを摂氏200度に温める。
  9. 温めておいたオーブンで、軽く焦げ目がつくまで、45分から50分程度、焼く。
  10. 焼き上がったら、温かいうちに、溶かした無塩バターを表面に塗る。パンが手で触れるくらいに粗熱がとれたら、茶こしなどを使って、粉砂糖で表面を覆う。パンが完全に冷めてから、さらにもう一度粉砂糖をかけるようにする。
Candied Orange Peel オレンジピールの砂糖漬け
  • オレンジ 1
  • 砂糖 100 g
  • グランマニエ (オレンジキュラソー) 大匙 1
  • 水 120 ml

仕上げ

  • グラニュー糖 適宜
【 作り方 】
  1. オレンジの皮は、粗い千切りにする。
  2. 鍋に砂糖、水、グランマニエを入れて火にかける。砂糖が溶けたら、1.の オレンジの皮を入れて、オレンジの皮がしんなりとするまで、15分程度煮る。
  3. オレンジの皮を取り出して、ラックにのせて、一日半程度乾燥させる。
  4. グラニュー糖を表面に満遍なくまぶす。
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