06 スープとシチューとガンボ,  51 フランス料理

Bœuf Bourguignon 牛肉のブルゴーニュ風

ブッフ ブルギニョン (Bœuf Bourguignon) ワインの名産地、フランスのブルゴーニュ地方の有名な郷土料理です。牛肉をたっぷりの赤ワインで長時間かけて煮込み、濃厚な赤ワインのソースとともに、マッシュポテトやパスタを添えて食べることが多いです。一般的なビーフシチューとの違いは、赤ワインが多めに使われていることと、ソース自体が濃厚なことです。

ブッフ ブルギニョン の作り方は、大きく分類すると2つあります。高級なフランス料理店などで作られる場合は、ソースを丁寧に裏ごしして作り、一緒に煮込んだ人参や玉ねぎなどの野菜は、出汁をとるための具材の一つとして、最後に捨ててしまいます。一方、家庭的でもっと簡易的に方法で作る場合は、牛肉とともに煮込んだ、人参や玉ねぎも具材として、一緒にいただきます。いずれの場合も、牛肉を長時間煮込んだ後に、マッシュルームやベーコン、パールオニオンと呼ばれる小玉ねぎを、食べる直前に加えることが多いです。

今回は、ソースを裏ごししない、家庭的でより簡単な方法で作ります。丁寧につくられた高級料理店の料理が美味しいのは言うまでもありませんが、家で時間をかけて作った料理を味わえる感動は、レストランでで食べるときとは違ったまた別のよさがあります。

煮込み料理に使う赤ワインは、ブルゴーニュ産のものか、それに類似したピノノワールをあわせるのが一般的ですが、それ以外のものでもかまいません。高級なワインを使う必要は全くなく、むしろ値段の安い、薄い赤ワインの方が、煮込んだ後に酸味が残りにくいので、食べやすい仕上がりになります。煮込むときには、赤ワインとブロスを同じくらい使うのが一般的ですが、濃いめの赤ワインを使う場合は、ブロスや水の量を多くしておいたほうが安心です。

牛肉は、すね肉、ばら肉、もも肉など、煮込み料理に適した部位を使います。今回使ったのはほほ肉です。ほほ肉は、ゼラチン質が豊富で、とろっとした仕上がりが特徴です。基本的には、ナイフとフォークで食べる料理なので、牛肉は、少し大きめに切ります。牛肉には、軽く塩と黒胡椒をまぶしておきます。牛肉は室温にもどしておくと、焦げ付きにくく、焼きやすいです。玉ねぎと人参も、やや大きめです。今回はマッシュルームとベーコンを牛肉を煮込んだ後に加えます。マッシュルームは大きいものは、半分に切り、ベーコンはブロック状のものを用意して、角切りにします。

ローリエと、タイムやローズマリーなどのハーブは、医療用のガーゼなどと布に包んで、簡易的なブーケガルニを作っておくと、後で取り出しやすいです。

今回は、フライパンなどは使わないで、一つの鍋を使い、順番にそれぞれの具材を炒めながら調理します。最初にベーコンを少量のオリーブオイルとともに鍋に入れて、軽く焦げ目がつくまで炒めます。

焼き上がったベーコンは、キッチンペーパーの上にのせて、余分な脂をとっておきます。

ベーコンの脂を使って、そのまま、マッシュルームを炒めます。マッシュルームに火が通ったら、鍋から取り出しておきます。

続いて牛肉を鍋に入れて焼きます。

焼けた面をひっくり返しながら、表面に漫勉なく焦げ目をつけていきます。焼き上がったら、鍋から取り出します。

同じ鍋で、玉ねぎと人参を炒めます。脂が足りない場合は、オリーブオイルを少量足します。

玉ねぎに軽く火が通ったら、ニンニクを加えます。

続いて、小麦粉を加えます。とろみが出やすいように、中力粉や強力粉を使うのがお薦めです。小麦粉にしっかりと火が通るまで炒めます。

ブランデーと赤ワインを加えて、一度沸騰させ、アルコールをとばします。鍋底を木べらなどでかきまぜながら、底について焦げ目をおとすようにします。

ビーフブロスとトマトペーストを加えます。ビーフブロスがない場合は、チキンブロスやベジタブルブロス、もしくは水でも構いません。

焼いた牛肉とブーケガルニを鍋に入れます。具材が完全にスープに浸る必要はないですが、あまり水分量が少なすぎてもいけないで、具材の量にあわせて、赤ワインや、ブロス、もしくは水の分量を調節します。ガスコンロの上で軽く沸騰させたら、摂氏180度に温めたオーブンに、蓋をして入れて、牛肉が軟らかくなるまで、2時間程度オーブンの中で煮込みます。途中で様子を見て、水分があまり蒸発しないように注意して、必要に応じで水やブロスを足します。牛肉の上下を入れ替えて、スープに満遍なく浸るようにするのがポイントです。

牛肉が軟らかくなって、スープの色がつややかな茶色になればOKです。おおよそ1時間半から2時間程度煮込みます。

オーブンからを出して、予め火を通しておいた、ベーコンとマッシュルームを戻して、軽く温めます。

茹でたパスタやマッシュルームとともに器にもり、好みで刻んだイタリアンパセリなどのハーブを散らします。

【 材料 6-8 人前
  • シチュー用牛肉 (すね肉、ばら肉、もも肉など)  890 g
  • ベーコン 50 g
  • マッシュルーム 120 g
  • オリーブ オイル 大匙 2
  • ニンニク 2
  • 玉ねぎ(中) 2
  • 人参(中) 1
  • トマトペースト 大匙 1
  • ブランデー 120 ml
  • 赤ワイン 400 ml
  • ビーフブロス 又は チキンブロス 400 ml
  • ローリエ 2
  • タイムの葉 2
  • ローズマリー 1
  • 黒胡椒 適宜 
  • 塩 適宜 
  • 中力粉 40 g
  • イタリアンパセリの微塵切り(適宜) 
【 作り方 】
  1. 牛肉を適当な大きさに切り、塩、黒胡椒を軽くふっておく。オーブンを摂氏180度に温めておく。
  2. ニンニクを微塵切りに、玉ねぎはくし切り、人参は食べやすい大きさに切る。マッシュルームは多きものは半分程度に切る。ベーコンは角切りにする。
  3. 鍋にオリーブオイルを少量入れて、ベーコンを焼く。軽く焦げ目がついたら、ベーコンを鍋からとりだして、ペーパータオルの上で脂をきっておく。
  4. ベーコンを焼いた脂を使って、マッシュルームを炒める。しんなりとしたら、鍋から取り出しておく。
  5. 鍋にオリーブオイルを足して、1.の牛肉を中火で焼く。軽く焦げ目がついたら、ひっくり返して、両面に焼き目をつける。焼き上がったら、鍋から取り出しておく。
  6. 同じ鍋に、玉ねぎ、人参を入れて、炒める。しんなりとしたら、ニンニク、小麦粉を加えて、よく炒める。
  7. ブランデーと赤ワインを入れて、一度沸騰させる。鍋底についた焦げをきれいにするようにして、木べらなどを使ってよくかき混ぜる。さらに、トマトペースト、ブロスを加える。
  8. ブロスが沸騰したら火を弱め、ローリエとハーブ類を入れる。5. の牛肉を鍋に戻し、塩、黒胡椒を加える。鍋に材料に十分にかぶるくらいようにして、水分が足りなければ、ブロスか水を加える。
  9. 温めておいたオーブンに、鍋に蓋をして入れる。1時間半程度、牛肉が軟らかくなるまでオーブンで煮る。途中で様子を見て、水分が蒸発しすぎないように注意して、必要に応じて水を足すようにする。
  10. 予め炒めておいた、ベーコンとマッシュルームを鍋に入れて、軽く温める。塩と黒胡椒で味を調える。食べる直前に、刻んだパセリをちらす。
Beef Broth ビーフブロス
  • オックステール 890 g
  • オリーブ オイル 120 ml
  • 玉ねぎ(中) 2
  • 人参(中) 1
  • 葉付セロリ 2
  • 赤ワイン 235 ml
  • トマト(中) 1
  • イタリアンパセリ 2
  • ローリエ 2
  • ニンニク 3
  • タイムの葉 2
  • 黒胡椒 小匙 ½
【 作り方 】
  1. オーブンを摂氏180度に温める。
  2. オックステールは余分な脂をそぎ落とし、玉ねぎはと人参は適当な大きさに切る。セロリは葉の部分は切り取り、茎の部分だけを乱切りにする。オリーブオイルをひいた鉄板に並べ、オーブンに入れて30分程度表面を焼く。
  3. 2. のオックステールと野菜を深めの鍋に移す。鉄板に残った脂をキッチンペーパーでとる。
  4. 鉄板に水を少量注ぎ、こびりついた焦げている部分をきれいにするようにして、鍋底を木べらなどでかき混ぜてから、水とともに鍋に戻す。赤ワインと、セロリの葉、トマト、スパイスとハーブ、ローリエを鍋にいれ、材料が十分にかぶるくらいの水を入れる。
  5. 鍋を火にかけて、長時間じっくりと煮込む。途中、水分が蒸発して足りなくなったら、水を足す。オックステールの骨が簡単にとりのぞけるようになったら、火をとめる。
  6. ざるにあけてスープをこす。
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