パリブレスト
52 フランスのお菓子とパン

Paris Brest パリブレスト

パリブレストは、シュー生地を大きなリング状に焼いて作る、フランスのシュー菓子です。1891年に自転車レース、パリ・ブレスト・パリの開催を記念して考案されたものとして知られており、車輪を模して円形に焼いたシュークリームです。大きく豪華な外観で、まさにシュークリームの王様という感じです。外観だけでなく、中に詰めるクリームには、ヘーゼルナッツやアーモンドなどを使ったプラリネペーストをカスタードクリームに混ぜた、プラリネクリームを使い、このクリームも超絶美味しいです。

パリブレスト

プラリネペーストは、製菓用の専門店などで、市販されているので、これを使ってもよいですが、今回はアーモンドとヘーゼルナッツを使って、手作りしています。馬力のあるフードプロセッサーが必要ですが、これさえあれば、様々なナッツを使って、好みの味のプラリネペーストが作れます。

まずは、アーモンドとナッツを軽くオーブントースターなどでローストします。ヘーゼルナッツは皮無しのものを使っています。

プラリネクリーム

続いて、キャラメルソースを作ります。鍋に砂糖と水を少量いれて、中火にかけます。

キャラメルソース

鍋を適度にゆすりながら、砂糖を溶かしていきます。沸騰したら火を弱めます。

キャラメルソース

飴色になったら、火を消します。

キャラメルソース

ローストしたナッツの上に、キャラメルソースを満遍なく流し入れます。そのまま、固まるまで、冷まします。キャラメルソースが熱くなっているので、火傷をしないように注意してください。

プラリネクリーム

キャラメルが冷めたら、パキパキと割って、フードプロセッサーに入れます。

プラリネクリーム

時々とめて、下の方にたまったナッツを混ぜるようにして、ペースト状になるまで、粉砕します。

プラリネクリーム
プラリネクリーム

表面に油を浮いてくるような感じになれば、出来上がりです。器に入れて、冷蔵庫で冷やしておきます。

プラリネクリーム

次に、カスタードクリームを作ります。まず、牛乳を鍋に入れて、中火にかけて、摂氏80度程度に温めます。

カスタードクリーム

卵黄と砂糖をボールに入れて、泡立て器で混ぜ合わせます。

カスタードクリーム
カスタードクリーム

さらに、コーンスターチと中力粉を入れて、泡立て器でよく混ぜます。

カスタードクリーム

温めた牛乳を少しずつ加えながら、よく混ぜます。

カスタードクリーム

牛乳を半分程度加えたら、ボールの卵液を、牛乳を温めた鍋に戻します。

カスタードクリーム

中火にかけながら、焦げ付かないように、よく混ぜながら、とろみがつくまで火を通します。

カスタードクリーム

とろっとしたら、すぐに火を止めます。

カスタードクリーム

予熱で、さらになめらかな状態になるまで、少し混ぜます。

カスタードクリーム

ボールにクリームを入れて、カスタードクリームを冷まします。表面に膜がはらないように、ラップをかぶせておきます。粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やします。

カスタードクリーム

シュー生地を作ります。鍋に水、牛乳、無塩バターを入れて、時々かきまぜながら、中火にかけます。バターが溶けたら、火を止めます。

シュー生地

篩った中力粉と、砂糖、塩を鍋に入れて、よくかき混ぜます。大きなリングシューを焼くときは、シュー生地自体を、グルテンの多い中力粉を使い、ハードな食感のある、さくさくとした仕上がりにしておいた方が、作りやすいです。

シュー生地

小麦粉が混ざったら、再度弱火にかけて、水分をとばします。ここでよく粘りがでるように、少し力を入れて混ぜます。

シュー生地

小麦粉に火が通って、糊のような状態になったら、火を止めます。卵を一つずつ割り入れながら、生地に加えていきます。

シュー生地

シュー生地にしっかりとグルテンがでるように、かなり力を入れてまぜていきます。電動の泡立て器を使うと、作業が楽です。一つ入れたら、混ぜ合わせて、生地がまとまったら、次の卵を入れる、という作業を繰り返します。

シュー生地

グルテンがしっかりでているので、通常のシュー生地より、少し硬めかもしれませんが、これで大丈夫です。

カスタードクリーム

ベーキングシートに鉛筆で、23センチ程度の円形を描いて、鉄板に上に敷きます。鉛筆で描いた面が裏側になるようにします。紙が動かないように、少量のシュー生地を使って、糊のように固定します。

パリブレスト

丸口金をつけた絞り袋を使って、生地を円形に絞り出します。内側の直径が21センチ、外側の直径が23センチくらいです。円を2重に描いたのち、中央に生地をのせるようにして、もう一度円を描きます。つなぎ目の部分が崩れやすいので、それぞれの円のつなぎ目が並ばないように、ずらして描くことがポイントです。生地が余ったら、余白があるところに、シュー生地を絞っておきます。

パリブレスト

霧吹きで、表面に軽く水をかけて、軽く指で形を整えます。表面にスライスアーモンドをトッピングします。アーモンドにも軽く水をかけて、少し湿らすようにしておくと、生地にアーモンドがつきやすくなります。

パリブレスト

大きなリングシューは、焼いた後に、中の水分を適度に乾燥させる必要があります。シュー生地の中の空洞が、普通のシュークリームに比べるとかなり大きいので、シュー生地を焼いた後、冷ましている間に、シューの中に含まれている湿気によって、せっかく膨らんだシュー生地が萎んでしまうのです。

手順は以下の通りです。

  1. オーブンの火を一度切る。
  2. オーブンの扉を5センチ程度あけて、5分程度そのままにして、中の水蒸気を外に放出させて、オーブンの温度を下げる。
  3. オーブンの扉を閉めて、オーブンの温度を摂氏150度の低温に設定して点火する。そのまま15分程度オーブンの中で、乾燥させる。
  4. オーブンの火を止めて、再びオーブンの扉を5センチ程度あける。15分程度、庫内を冷ましてから、オーブンからシュー生地を取り出す。
  5. ラックの上にシュー生地をおいて、完全に冷ます。
パリブレスト

シューが冷めたら、上部の3分の1くらいの高さのところで、水平方向に分割します。キッチンバサミを使うと、作業がしやすいです。

パリブレスト

中に詰める、プラリネクリームを作ります。カスタードクリームと無塩バターをボールに入れて、混ぜ合わせます。

カスタードクリーム

さらに、プラリネペーストを加えます。少し力がいるので、電動の泡立て器を使って、なめらかな状態になるまで、混ぜます。

プラリネクリーム
プラリネクリーム

シューの下半分を、盛り付けるお皿にのせて、クリームを詰めていきます。絞り袋にクリームを入れて、まず、下半分に満遍なく詰めます。

パリブレスト

さらに、中央が少し盛り上がるよう、表面を飾りつけるようにして、クリームを絞り出します。

パリブレスト

上半分のシュー生地をかぶせます。

パリブレスト

冷蔵庫でよく冷やしてからの方が、切り分けやすいです。最後に粉砂糖をふって、出来上がりです。

パリブレスト
パリブレスト
Paris Brest パリブレスト
準備時間 : 30分
加熱時間 :ガスコンロの上で10-15分 + 摂氏 200度のオーブンで 45-60分
難易度★★★
【 材料 9-inch (23 cm) ケーキ型 】

シュー生地
中力粉 ———————————- 90 g
牛乳 ————————————– 75 ml
—————————————- 75 ml
無塩バター ————————— 55 g
砂糖 ————————————– 小匙 2
—————————————- 小匙 ¼
—————————————- 3 個
スライス アーモンド ———- 45 g
粉砂糖 ———————————- 大匙 2

プラリネクリーム
卵黄 ————————————– 5 個
砂糖 ————————————– 120 g
牛乳 ————————————– 500 ml
中力粉 又は 中力粉 ———— 30 g
コーンスターチ ——————- 40 g
無塩バター ————————— 150 g
プラリネペースト —————- 180 ml
【 作り方 】
カスタードクリームを作る。牛乳を鍋に入れて中火にかけて、摂氏80度くらいまで温めておく。卵黄と砂糖をボールに入れて、白っぽくなるまで泡立て器でかき混ぜる。最後に小麦粉、コーンスターチ、を加えて軽く混ぜ合わせる。
温めた牛乳を、卵黄を入れたボールに少しだけ入れて、軽く混ぜ合わせる。その後、卵液を牛乳を入れた鍋に戻して、弱火にかける。よくかき混ぜながら、とろみがでてくるまでかき混ぜる。とろみがでてきたら、火をとめて、さらに粘りが出るまでよく混ぜる。鍋から出して、ボールなど別の容器に入れ、表面に膜がはらないように、ラップで覆いをして冷ます。粗熱がとれたら、冷蔵庫でよく冷やす。
オーブンを摂氏200度に温めておく。小麦粉と砂糖は篩いにかけておく。
シュー生地を作る。牛乳、バター、水を鍋に入れて中火にかける。バターが溶けたら、火を止めて、ふるいにかけた小麦粉、砂糖、塩を入れて、よくかき混ぜる。
再度弱火にかけて、よくかき混ぜながら、水分を飛ばし、粘り気を出す。
火を止めて、卵を一つずつ割り入れながら、よく混ぜ合わせていく。最後の卵を割り入れたら、泡立て器を使って、よく粘りを出すようにして力強く混ぜ合わせる。
ベーキングシートを敷いた鉄板の上に、内側が直径21センチの円を描くように、絞り袋を使って生地を絞り出す。最後に霧吹きで水をかけて、アーモンドをトッピングする。
温めたオーブンで、生地が膨らむまで20分程度焼く。その後温度を摂氏180度まで下げて、さらに20分程度焼く。その後オーブンの火を一度止めて、オーブンの扉に5センチ程度の隙間をあけて軽く開けて、5分程度そのままにして、中の水蒸気を外部に放出させる。再度オーブンの温度を摂氏150度にして15分焼き、シュー生地を乾燥させる。その後、火を止めた後、再度5センチ程度の隙間をあけて、15分程度、庫内を冷ましてから、オーブンから取り出し、ラックの上において完全に冷ます。
のカスタードクリームに無塩バターを加えて、よく混ぜ合わせる。さらに、プラリネクリームを加え、泡立て器を使って、力強く混ぜる。
シューを水平方向に半分にスライスする。絞り袋にプラリネクリームを入れて、シューの下半分に満遍なくクリームを絞り出す。さらに、中央部分に膨らみができるように、クリームを飾りつける。シューの上半分をかぶせて、粉砂糖を飾る。
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