
Poulet a l’Estragon 鶏肉のタラゴンクリーム
タラゴンは、キク科のハーブで、アニスに似た独特な香りが強く、鶏肉との相性がよいハーブです。フランス系とロシア系の品種があり、料理に使われるのは、フランス系のタラゴンで、フランス語の言語どおりに、エストラゴンと呼ばれることもあります。インターナショナルなスーパーなどで手に入りますが、一般的なスーパーでは少し手に入りにくいので、家で栽培すると重宝するハーブの一つです。フレンチタラゴンは、苗から育てるのが一般的で、種で育てられるのはロシア系タラゴンなので、注意してくたさい。

タラゴンを使った鶏肉料理は様々なものがありますが、とくに今回作った、タラゴンを加えたクリームベースのソースで食べる鶏肉は、とてもポピュラーなフランス料理です。タラゴンの風味が好きな人には、癖になる味だと思います。タラゴン以外は比較的手に入りやすい食材で作れ、比較的単時間で、手軽に作れるフランス料理の一つです。ソースが美味しいので、フランスパンで食べてもいいですが、バターやマッシュルームを使ったピラフ、マッシュポテト、グリーンピースやブロッコリーなどの緑の野菜などを添えてもいいです。

鶏肉は、基本的にはどこの部位でもいいのですが、出来れば、骨付きの部位の方が、濃厚なスープになります。今回は1キロ程度の小さめの丸鶏を、使っています。最初に、軽く塩と黒胡椒をまぶして、30分程度室温でねかせます。

焼く直前に、茶こしなどを使って、小麦粉を全体に軽くまぶします。

厚手の鍋を中火にかけて温め、オリーブオイルをひいてから、鶏肉の皮の面を下にして焼いていきます。

軽く焦げ目がついたら、ひっくり返して、反対の面にも焦げ目をつけます。

両面を焼いたら、別の器に取り出しておきます。後で煮込むので、完全に火を通す必要はありません。

鶏肉を焼いた鍋で、微塵切りにした玉ねぎとニンニクを炒めます。フランスでは、エシャロットと呼ばれる、小ぶりの玉ねぎが、よく使われます。

それほど、長く炒める必要はないので、しんなりとしたらOKです。

続いて、シャリービネガーとブランデーを入れて、少し火を強めて沸騰させます。シャリービネガーのかわりに、白ワインビネガーや赤ワインビネガーでもかまいません。また、お酢ではなくて、白ワインを使うレシピも多いので、白ワインがあったら、お酢の代わりにつかえます。白ワインを使う場合、量は少し多めにいれます。ブランデーは入れなくてもよいのですが、入れるとぐっとソースの味にコクが出ます。フランス産のコニャックがあれば最適ですが、ない場合は、他のブランデーかウイスキーでも大丈夫です。アルコールを飛ばしながら、鍋底をよくかきまぜるようにして、底にこびりついているものをはがすようにするのがポイントです。

さらに、チキンブロスを加えます。

タラゴンは、葉の部分と茎の部分にわけて、茎の部分をたばねて、 ブーケガルニを作ります。タコ糸で縛るか、お茶パックなどに入れておきます。


タラゴンの茎と予め焼いておいた鶏肉を鍋にもどして、鶏肉に火が通るまで、蓋をして弱火で、15分程度煮込みます。煮汁が鶏肉に半分程度かぶる程度にします。

鶏肉に火が通ったら、鍋から取り出して、お皿に盛り付けます。

鍋に残った煮汁は、少し煮詰めて、好みの濃さに調整します。もし、さらに上品な仕上がりにしたい場合は、煮詰める前に、一度煮汁を全て笊などでこしておくと、ソースがなめらかになります。

生クリームとクリームチーズを加えて、よくかき混ぜます。

タラゴン葉を、粗目に刻んで加えます。

塩、黒胡椒、ディージョンマスタードで味を調えて出来上がりです。

鶏肉に上から、ソースをかけます。さらにフレッシュなタラゴンを少しだけ飾ります。

- 鶏胸肉 1000 g
- 塩 小匙 ½
- 黒胡椒 小匙 1/3
- 小麦粉 大匙 1
- ニンニク 1 片
- 玉ねぎ(中) 1/3 個
- オリーブ オイル 大匙 2
- チキンブロス 235 ml
★
Chicken Broth: 鶏肉をベースにしたブロス(ダシ)で、ブロスの中で最もよく使われる。自宅で手作りするのが大変な場合は、缶詰やパック詰めにされた市販品を使うか、チキンコンソメの素などを好みの濃さに溶かして、利用する。
- シェリーヴィネガー 大匙 2
- コニャック (ブランデー) 60 ml
- 生クリーム 160 ml
- クリームチーズ 大匙 1
- ディジョン マスタード 小匙 1
★
Dijon Mustard: 酸味が強いフランス風のマスタード。黒いマスタード シードを原料にしている。サラダのドレッシングに加えられることが多い。
- フレンチタラゴン 8 枝
- 鶏肉に塩と黒胡椒をまぶして、30分程度おく。
- 玉ねぎは薄切り、ニンニクは細かいみじん切りにする。タラゴンは葉の部分だけをとりだし、粗いみじん切りにする。枝の部分はタコ糸で縛っておく。
- 鶏肉に茶こしなどを使って、小麦粉を薄くまぶす。
- 鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけ、鶏肉の表面に軽く焦げ目がつくように、両面を焼く。
- 鍋から一度鶏肉を取り出し、同じ鍋に、玉ねぎとニンニクを入れて、炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたら、ビネガーとブランデーを鍋に入れて、一度沸騰させる。さらに、チキンブロスとタラゴンの枝の部分だけを入れて、3. の鶏肉を鍋に戻す。蓋をして、弱火にして、鶏肉に火が通るまで15分程度煮る。
- 鶏肉に火が通ったら、鍋からとりだしておく。火を少しだけ強くして、スープを好みの濃さになるまで煮詰める。
- 7. に生クリームとクリームチーズを加えて混ぜ合わせる。クリームチーズが溶けたら、刻んだタラゴンの葉、ディージョンマスタードを加える。塩と胡椒で味を調える。
- 皿に鶏肉をもり、8. のソースをかける。
Chicken Broth チキンブロス
- 鶏ガラ 600 g
- 玉ねぎ(中) 2 個
- 人参(中) 1 本
- 葉付セロリ 2 本
- パセリ 2 枝
- ローリエ 1 枚
- ニンニク 1 片
- タイムの葉 3 枝
- 黒胡椒 小匙 ½
- 鶏ガラは内臓、余計な脂肪などは取り除く。
- 玉ねぎはくし切り、にんじんとセロリは適当な大きさの乱切りにする。
- 全ての材料を鍋にいれ、材料が十分にかぶるくらいの水を入れる。蓋をしばらく強火にかける。沸騰したら火を弱め、あくと余計な脂分を取り除きながら、蓋をとって弱火で2~3時間程度、煮詰める。
- 鶏肉から骨が簡単にとりのぞけるようになったら、火をとめる。ざるにあけてスープをこす。