Pumpkin Pie パンプキンパイ
アメリカの秋を象徴するデザート、パンプキンパイです。感謝祭など、フォーマルな食事のデザートとにもよく焼かれる、アメリカを代表するパイの一つです。缶詰のパンプキンピューレを使って作るレシピが主流ですが、今回はフレッシュな南瓜をオーブンで焼いて、パンプキンパイを作っています。ピューレを手作りするのは、それだけ手間もかかりますが、南瓜本来の味わいをダイレクトに味わうことができます。
パンプキンパイは、パイクラストにカスタード生地を注いで焼くだけなので、材料さえ用意できれば、比較的簡単に作れるパイの一つです。卵をベースにしたカスタードパイなので、焼き上がりよりも、少し冷やしてから頂いた方が、美味しくいただけます。好みで、ホイップした生クリームを添えるのが、定番です。
最初にパイ生地を作ります。パイ生地は、フランス語で、パートブリーゼ(pâte brisée)と呼ばれる、一般的なショートクラストペストリー (short crust pastry) です。小麦粉にバターやラードなどの油脂を練りこんで、よく冷やした冷水を加えて作ります。最初の練りこみ作業を、フードプロセッサ―を使うと楽です。フードプロセッサ―を使わないで、ショートクラストペストリーを作る方法は、こちらを参考にしてください。
小麦粉、細かくきった無塩バター、ラードをフードプロセッサ―に入れます。ラードも無塩バターも、よく冷やしておきます。
バターの塊がなくなるまで、攪拌します。攪拌しすぎると、バターが溶けてしまうので、注意してください。バターの塊がなくなったら、氷で冷やした冷水を少しずつ加えます。生地を軽く押さえて、少ししっとりとする感じになればOKです。
ラップの上に、生地をのせて、平たい円盤型に成形します。
そのままラップで包んで、冷蔵庫で30分以上冷やします。
冷蔵庫から出したら、生地を2枚のラップに挟むようにして、麺棒で円形に伸ばしていきます。パイ皿より、やや大きめの円形になるようにします。
生地からラップを外し、生地をパイ皿にかぶせるようにして、形成します。パイ生地には油脂が多く含まれているので、そのまま直にパイ生地をひいても、通常はパイ皿に生地がひっついてしまうことはそれほど多くはありません。しかし、軽くパイ皿にバターやラードなどを薄く塗っておくと、パイ生地がぱりっとした出来上がりになるので、塗っておくことをお勧めします。
外側にはみ出したパイ生地は、内側に折り返すようにして、形を整えるか、もしくは、キッチン鋏で、パイ皿に合わせて切り取ります。今回は、余った生地を切り取っています。
余った生地を、薄くのばして、小さなクッキー型などで、切り抜きます。
切り抜いた生地で、淵を飾り付けます。
さらに余った生地も、クッキー型で切り抜いて、飾り用に使います。飾り用の生地、パイの縁の部分に、水で溶いた全卵を塗っておくと、艶出しになります。
パイ生地は、フィリングを注ぐ前に、軽く焼いておきます。パイ生地は膨らまないように、ベーキング用の紙を敷いて、お米や豆などで重石をします。摂氏220度に温めたオーブンで、15分程度焼きます。
パイ生地の表面に火が通って、表面が乾燥した感じになればOKです。
パンプキンピューレを作ります。今回使ったかぼちゃは、鶴首かぼちゃという品種で、見た目は、バターナッツスクワッシュに似ています。かぼちゃは皮ごと、2センチくらいの厚さに切って、鉄板に並べます。摂氏200度に温めたオーブンで、かぼちゃが軟らかくなるまで、40分程度焼きます。
かぼちゃが手で触れるくらいに冷めたら、皮をむいて、種を取り除きます。フードプロセッサ―に入れて、ピューレ状になるまで攪拌します。
自家製のパンプキンピューレは、アメリカの缶詰のパンプキンピューレに比べると、水分量が少ないです。400グラムのパンプキンピューレを使うレシピの場合、フードプロセッサ―にかけた南瓜を350グラムに、50ml程度の水を加えて、硬さを調整します。
パンプキンピューレに、三温糖、モラセス、シナモン、クローブ、ナツメグ、ジンジャーパウダー、塩、エバミルクを加えて、混ぜ合わせます。モラセスがない場合は、メープルシロップでもOKです。
卵を加えて軽く混ぜます。卵を加えてからは、あまり混ぜすぎないように、注意します。
用意しておいた、パイ生地に、パンプキンを注ぎます。
好みで、南瓜の種、余ったパイ生地をクッキー型で切り抜いたものを、トッピングします。
オーブンの温度を、摂氏180度に下げます。フィリングの中央が固まるまで、40分程度焼きます。
焼き上がったパイは、粗熱がとれたら、冷蔵庫でよく冷やします。
好みで、ホイップした生クリームをトッピングします。
Pumpkin Pie パンプキンパイ
加熱時間 :摂氏 220度のオーブンで 45-50分
難易度— :★★☆
•パンプキンピューレ(缶詰) —- 400 g
•エバミルク(無糖) —————- 400 g
•三温糖 ———————————- 60 g
•塩 —————————————- 小匙 ¼
•シナモン (粉) ———————- 小匙 1
•ナツメグ (粉) ———————- 小匙 ¼
•クローブ (粉) ———————- 小匙 ¼
•ジンジャーパウダー ———— 小匙 1
•モラセス —————————— 大匙 1
•卵 —————————————- 2 個
•かぼちゃの種 ———————— 適宜
❷パイを半焼きにする。温めておいたオーブンで、パイにアルミホイルかパラフィン紙などを敷いて米などで重石をし、パイを12~15分程度焼く。
❸ボールにかぼちゃのピューレ、三温糖、シナモン、クローブ、ナツメグ、ジンジャーパウダー、塩、モラセス、エバミルクを加えてよく混ぜ合わせる。
❹❸ に卵を入れて、混ぜ合わせる。
❺半焼きにしておいたパイ皿に❹ を流し入れる。好みで、かぼちゃの種を表面に飾る。オーブンの温度を摂氏180度に下げて、パイを40分程度、フィリングが固まるまで焼く。
☆ Single Pie Crust シングルパイ クラスト
調理時間 :摂氏 220度のオーブンで 12-15分
冷却時間 :60分
難易度— :★★☆
•無塩バター ————————— 60 g
•ショートニング 又は ラード — 大匙 1 ½
•冷水 ————————————– 適宜
❷❶ に氷で冷やした水(大匙 2-4杯) を、生地全体がしっとりとまとまるまで、少しずつ加えながら混ぜる。
❸生地をラップにつつんで一時間程度冷蔵庫で冷やす。
❹生地を二枚のラップにはさんで、パイ皿より少々大き目の円形にのばし、片方のラップをとって、油を敷いたパイ皿になじませる。パイ生地が膨らまないよう、パイ生地の底にフォークで穴をあける。縁はパイ皿の大きさに合わせて成型 飾りつける。
❺オーブンを摂氏220度に温める。
❻温めておいたオーブンで、パイにアルミホイルかベーキング用の紙を敷いて米などで重石をし、パイを15程度焼く。
❼オーブンの温度を摂氏180度に下げて、重石をとってさらに20-30分程度、パイに軽く焦げ目がつくまで焼く。途中で様子を見て、縁に焦げ目がついているようだったら、オーブンから出し、縁をホイルで覆う。