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Pancakes パンケーキ
バターミルクと重曹を使って焼く、アメリカ南部風のパンケーキです。バターミルクの代わりに、ヨーグルトと牛乳を使っています。ヨーグルトやバターミルクの酸味が、重曹の働きを強めるので、ふっくらとした焼き上がりになるのが特徴です。
パンケーキは、pan (鍋)で焼くケーキという意味です。小麦粉や卵、牛乳などを使ったケーキは、通常、オーブンを使って焼くものですが、フライパンなどの平たい鍋や、ホットプレートなどを使って焼かれるものを総称して、英語ではパンケーキと呼びます。その意味においては、フランスのクレープやそば粉で作ったガレット、ロシアのブリヌイはもちろん、日本のお好み焼きや、ベトナムのバインセオも、パンケーキのうちの一つです。パンケーキは、メープルシロップなどをかけて、甘くして食べるものもあれば、お好み焼きのようにセイボリーなものもあります。
日本では、古くから、ホットケーキと言われて親しまれてきたものは、元をただせばアメリカのパンケーキと同じものだったと思われますが、もちろん、ホットケーキもパンケーキのうちの一つです。2010年頃から、より汎用的な言葉として、パンケーキという呼び方が日本でも定着してきました。日本のホットケーキは、卵を泡立てることによって、厚さを出すものが多いように思います。さらに、ホットケーキとパンケーキについて、私が個人的に感じる違いの一つは、一枚の大きさです。日本のホットケーキは、直径12センチぐらいあり、厚さも2センチ近くあったりするので、一枚一枚がかなり大きいです。ホットケーキだけではなく、日本の食パンも一枚一枚がかなり大きいです。これは、一回に食べる量を、ご飯一膳分の炭水化物の摂取量と、合わせているからなどでは、と私は推測しています。
一方アメリカのパンケーキに、適当な大きさというのはありませんが、おおよそ、一枚当たり、60mlぐらいの生地を使って焼き上げるのが一般的です。大きいパンケーキは、きれいに焼くのが難しいし、時間もかかるので、このぐらいが焼きやすい大きさなのではという気がします。一枚の直径は8センチ程度、厚さも1センチぐらいのものが一般的で、沢山焼いて、沢山食べる、というのがアメリカ式です。
アメリカのパンケーキのレシピは、それぞれの家庭や地域によって、かなりバラエティーがあるので、これが正解というものはありません。バターミルクと重曹を使って焼くパンケーキは、典型的な南部のパンケーキの一つです。バターミルクは、日本で手に入りにくいので、私はプレーンヨーグルトと牛乳を混ぜ合わせて使っています。ヨーグルトに適度なとろみがあるので、実際、バターミルクを使うよりも作りやすく、出来上がりも上々です。
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小麦粉は中力粉でも薄力粉でもOKです。薄力粉を使い場合は、少し量を多めにした方が、作りやすいです。小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、重曹を一度篩にかけます。
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牛乳、プレーンヨーグルト、卵をよく混ぜ合わせます。
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粉類を混ぜ合わせた卵液に加え、軽く混ぜ合わせれば生地は出来上がりです。
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あまり混ぜすぎないように、さっくりと粉類を生地にあわせるのがこつです。もし時間に余裕があれば、生地は作ってからすぐ焼くのではなく、15分くらい室温においておくといいです。少しねかせることによって、グルテンが安定して生地にこしが出て、さらに、重曹やベーキングパウダーの働きがよくなって、膨らみやすくなります。
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フライパンに、軽く油かバターをひいて、温めます。フライパンが熱したら火を弱め、焼く60ml程度の生地を円形に流しいれます。生地の表面が乾いてきたら、裏返します。両面に軽く焦げ目がついて、中まで火が通れば出来上がりです。この作業を繰り返します。
なお、テフロン加工のフライパンや、よく手入れした鉄製のフライパンを使って、バターや油をひかないでパンケーキを焼くことも出来ます。油をひかないと、パンケーキの表面の温度が均一になって、焦げ目が均等に入ったきれいなパンケーキになります。日本のレトロな喫茶店で焼く、ホットケーキの表面は、このような均等な焼き目になっています。アメリカのパンケーキはどちらかというと、バターをひいて焼いて、みぞれ風の模様が入った焼き目のものが多いです。
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好みのフルーツを添えたり、バターとメープルシロップを添えて、いただきます。
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Pancakes パンケーキ
加熱時間 :ガスコンロの上で20-30分
難易度— :★★☆
—- 又は 中力粉 ———————— 120 g
•砂糖 ————————————– 大匙 1
•ベーキングパウダー ———— 小匙 1½
•重曹 ————————————– 小匙 ½
•卵 —————————————- 1個
•プレーンヨーグルト ———— 60 ml
•牛乳 ————————————– 180 ml
❷ヨーグルト、牛乳、卵を入れよく混ぜ合わせる。
❸❷ のヨーグルト液を❶ の粉類に加えて、軽く混ぜ合わせる。
❹フライパンをよく熱し、バター(分量外)を薄くひく。バターが焦げないうちに、❸ の生地を大匙3~4杯ずつとり、円形に流しいれ、弱火にして焼く。
❺パンケーキの縁が乾いたら、裏返して、中に火が通るまで、焼く。❹ と❺ の作業を繰り返す。