Corn Tortillas コーントルティーヤ
トルティーヤは、クレープのようなメキシコのフラットブレッドで、タコスやブリトー、エンチラーダなど、多様多種なメキシコ料理の主食のようなものです。メキシコでは、コーンの粉から作られるコーントルティーヤが主流ですが、アメリカのテックスメックスでは、小麦粉から作られる、フラワートルティーヤが作られる傾向があります。これは主に、アメリカでは、小麦粉の方が入手しやすいからなのですが、最近では、グルテンを含む小麦粉ではなくて、トウモロコシの粉で作る、コーントルティーヤを好む人たちも増えています。もともと、メキシコのトルティーヤはコーントルティーヤなのですから、本場のメキシコ料理を味わいたいという人にも、コーントルティーヤはお薦めです。
コーントルティーヤは、いくつかのポイントを押さえれば、フラワートルティーヤに比べて、作るのも簡単です。まず、重要なのは、きちんと、トルティーヤ用の粉を選ぶことです。コーントルティーヤに使われる、マサハリナ (masa harina) と呼ばれるとうもろこし粉は、アメリカでよく使われるコーンミールとは、全く別のものです。コーンミールは、小麦粉と混ぜないと、トルティーヤは作れません。
マサハリナは、トウモロコシに消石灰を使ってアルカリ処理をしてから粉にしたもので、コーンミールとは異なり、水分をふくませたときに、適度な粘りがあります。この粘りがないと、トルティーヤのような円盤型に形成できません。購入するときは、原材料名を確認して、消石灰が含まれているかを、確認しましょう。マサハリナは、コーンミールと同様、使うとうもろこしの種類によって、白いもの、黄色いもの、紫色のものがあります。今回使ったのは、白いとうもろこしで作った、ホワイトマサです。消石灰がふくまれているものなら、何色でもいいので、好みのものを使ってください。
コーントルティーヤの材料は、マサハリナと塩、後は水分だけで、いたってシンプルです。最初に、マサハリナと塩をボールに入れて、軽くかき混ぜます。
摂氏80度程度に温めたお湯を、少しずつ加えながら、混ぜ合わせていきます。粉の重量に対して、8割から9割程度の水分を加えます。
全体が一つにまとまるようになったら、ボールにラップをして、10分程度、生地をねかせます。
コーントルティーヤは、小麦粉を使ったトルティーヤに比べると、生地が弱くて崩れやすいので、トルティーヤプレスという、専用の道具を使います。実際には、コーントルティーヤだけでなく、小麦粉のトルティーヤや餃子の皮をのばしたりするときにも使えそうなので、タコス好きの人は、購入して損はないと思います。
生地は、一つ当たり、35グラム程度を手にとって、軽く円形にまるめます。トルティーヤプレスにのせて、直径約12センチほどの円形にのばします。
トルティーヤプレスは、中央に平均して力がかかるのでなく、プレスするハンドルがある方向に、より強い力がかかる構造になっています。従って、ハンドルから遠い側、写真では、ヒンジのある左側に、生地を少し寄せておいた方が、上手くいきます。力が弱い人は、一回のプレスで行おうとしないで、出来上がりが円形になるように、生地の向きを少し回転させながら、3回ぐらい、プレスすると上手くいきます。
生地の水分量を調節することも重要です。生地の水分が多すぎると、トルティーヤプレスに生地がひっついてしまいます。逆に生地が硬すぎても、生地がもろく、崩れやすくなります。適当な水分量が分からない場合、一つ試しにプレスしてみて、水分が多すぎる場合は、マサハリナを追加し、硬すぎる場合は、お湯を少量入れるようにして、調節して下さい。
伸ばした生地を、熱く熱したフライパンで、軽く焦げ目がつくまで、両面を焼きます。フライパンは出来るだけ熱く熱したほうが上手くいくので、出来れば熱に強い鉄製のものがお薦めです。
焼き上がったトルティーヤは、布巾に包んで、乾燥しないようにして保温するようにします。
Corn Tortillas コーントルティーヤ
難易度— :★★☆
•塩 —————————————- 小匙 1/2
•温湯 ————————————– 160 ml
❷水を摂氏80度程度に温めてから、❷ に少しずつ加えて、全体を一つにまとめる。
❸ボールにラップをして、生地を10分程度ねかせる。
❹生地を35グラム程度ずつ手にとって、円形に丸める。トルティーヤプレスにのせて、直径12センチ程度の、薄い円形にのばす。
❺生地の両面に軽く焦げ目がつくように、強火で熱したフライパンで両面を焼く。